放送のたびにXトレンド入りを果たし、勢いに乗っている火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)。TVerのお気に入り登録数も先週から10万人増の146万人となり、人気の高さはうなぎ登りだ。
放送開始以来、価値観の変化を遂げ続けている主人公・海老原勝男(竹内涼真さん)だが、11月5日放送の第5話では、兄・海老原鷹広(塚本高史さん)の上京をきっかけに、未練を引きずる恋人・山岸鮎美(夏帆さん)と再接近する様子が描かれた。
塚本さんをはじめ、勝男の友人となった柏倉椿を演じる中条あやみさんなど、主人公カップルだけでなく脇役のキャスティングも見事にハマっているのが同作の魅力。
そんな中、第1話から視聴者の間で常に高評価を得ているのが、前原瑞樹さんが演じる勝男の良き相談役、会社の後輩・白崎ルイだ。
※本記事は作品の内容を含みます。
■安定感抜群!そばにいてくれると嬉しいキャラナンバーワン
本作には、モラハラ思考から少しずつ脱却していく勝男、相手に合わせすぎる鮎美、マイペースなミナト(青木柚さん)など、個性豊かなキャラクターが登場する。
特に勝男はクセが強いが、鮎美との別れをきっかけに、彼女が作ってくれていた料理を自分で作ることで自身を見つめ直していく。少しずつ相手の気持ちを考えられるようになるその変化が丁寧に描かれることで、視聴者は勝男への好感度を高めていった。
一方で、第1話から安定した価値観と落ち着いた言動が印象的な人物がいた。それが、勝男の会社の後輩・白崎ルイだ。白崎は料理が好きで家庭的、自己主張は控えめながら芯は強く、ここぞと言うときにははっきりと意見を言える男でもある。
第1話では、勝男に「めんつゆで料理は邪道」など、古い価値観を押しつけられる場面があった。
そこで白崎は、「めんつゆが何でできているか知って言ってるんですか」と言い返した。そして、後日勝男が反省するとそれを笑顔で受け入れ、歩み寄ってくれた勝男に対し、自分の発言も反省する姿勢を見せる。
勝男の素直な行動があったからでもあるが、白崎は普通なら「うざい人」で片付けられてしまいそうな勝男に対しても決めつけず、応援する側に回る。この懐の深さと優しさが白崎の魅力だ。
以来白崎は、鮎美への未練を引きずる勝男のアドバイザー的存在になっていく。その寄り添い方も絶妙で、相手の話を決して否定せず、控えめながら要点をついたアドバイスを出すのだ。
第5話でも、勝男の兄・鷹広が上京した場面で、白崎のファインプレーが光った。鷹広は、視聴者から“ザ・エビカツの兄”と言われるほど亭主関白思考の持ち主。だが一方で、父から強くあれと教え込まれたために弱音を吐けない性格になってしまった人物でもある。
勝男は昔から強い兄にコンプレックスがあったのだが、勝男をよく理解する白崎は、兄弟だからこそすれ違ってしまう微妙な空気を察した。そして、夫婦関係に悩んだままその日のうちに九州へ帰ろうとしている鷹広に、好物のとり天を作ってあげたいとこぼす勝男の思いをそっと後押しする。同僚の南川(杏花さん)と一緒に準備に取りかかる行動力は実に頼もしい。
その後、偶然遭遇した鮎美&ミナトと一緒に料理をすることになるのだが、ここで白崎はとり天が出来上がるベストタイミングで自身の彼女に電話をかけ、車を回してもらうという機転を利かせた。
兄の飛行機が飛び立つまで時間がない中、無事にとり天を届けられたのは彼のサポートあってこそ。こうした白崎の行動に、視聴者からも「白崎くん仕事できる」「いい人すぎる」といった好意的な声が数多く寄せられていた。
社内での働きっぷりは描かれないが、これだけ細部まで気を配れる白崎はきっと有能な人材として評価されているだろう。そして、本作において白崎のような人物の堅実な働きが、物語全体を支える大きな要となっているのである。


