■「ただの宮野?」声優・宮野真守さんの演技が自由すぎる!?
さらに、自由すぎるのは作風だけではない。主人公・うーさー役を務める声優の宮野真守さんの演技があまりにも自然体、かつ自由奔放すぎるのだ。
宮野真守さんといえば、『鬼滅の刃』の童磨や、『DEATH NOTE』の夜神月、『文豪ストレイドッグス』の太宰治といったイケボキャラが有名だが、ハイテンションでコミカルな役柄を演じることも多く、それを見たファンからは演技ではなく、「素の宮野真守」「ただの宮野」などとツッコまれることもしばしばある。
本作でも、その「ただの宮野」感がにじみ出ており、たとえば、ギャルたちに言い寄られ「いいよ~いいよ~」と鼻を伸ばし、女の子に睨まれると「ジト目はご褒美です」と反応。休日を寝て過ごした後に「あ、ヤッベ。何もしないで土曜日オワタ」というセリフなど、素の宮野さんがそのまま画面越しに漏れ出ているような感覚すら覚えるほどだ。
そのほかにも、バッタに変身して「キャッキャ! ウフフ」と街を破壊したり、しまいには、「俺の名は鳳凰院……ではなく、うーさーだ。さあ今日もシュタインズ……ではなく……」と、自身が主役を務めた『STEINS;GATE』のセリフもオマージュするなど、宮野真守さんが好き勝手にしゃべるさまも楽しめる。
■豪華すぎる声優&制作陣!
そして、作品を彩る声優陣と、制作を支えるスタッフ陣の豪華さも本作の魅力。
公式Twitter(現X)の広報役で、作中にも登場する「お知らせうーさー」を田村ゆかりさん、白いフクロウのような動物を諏訪部順一さん、うーさーにそっくりな謎の黒い動物を神谷浩史さんが務めており、他にも堀江由衣さん、杉田智和さん、水樹奈々さんなど、ほぼ全員が主役級の豪華声優陣が脇を固めている。
また本作の3期『覚醒編』では毎話の脚本家を変えるという試みを行っており、『ダンガンロンパ』シリーズの小高和剛さんや、『School Days』の上江洲誠さん、『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄さんなど、これまた豪華な顔ぶれ。
エピソードごとに脚本家の色も出ており、小高和剛さんであれば推理物語、人狼イベント主宰の経験もあるイシイジロウさんであれば人狼がテーマになるなど、たった数分のアニメの中で何度も変わる展開に驚かされるはず。
毎度のごとく最終的には「何だったんだこれは」という感想を抱かせる作品だが、そのカオスさも本作が愛される理由であり、今回の代替番組化が発表された際に、「なんでうーさーなんだよw」と反響を呼んだ理由ともいえる。
思わぬ放送延期となってしまった『千歳くんはラムネ瓶のなか』だが、『うーさーのその日暮らし』というカオスでメタな世界観に笑い、肩の力を抜いて放送再開を待つのも悪くないはず。ふたたび千歳くんたちの青春劇が戻ってくるまで、奇想天外な『うーさー』の活躍を見届けよう。


