■海賊女帝の恋慕まで受け継いだ?S-スネーク

 世界会議(レヴェリー)での王下七武海制度撤廃を受け、Dr.ベガパンクによって新たに開発されたのが「セラフィム」である。

 セラフィムは従来のパシフィスタを凌駕する戦闘兵器であり、レーザー兵器のほか、カイドウ率いる百獣海賊団の大看板・キングの種族「ルナーリア族」の特性まで再現。さらに元七武海たちの外見的特徴や、彼らに適した悪魔の実の能力まで血統因子に組み込んだ、まさに‟最強の人類”と呼ぶにふさわしい存在だ。

 そのセラフィムの中でも注目を集めたのが、ハンコックの幼少期に瓜二つの外見をしたS-スネークである。登場時からハンコック同様「メロメロの実」の能力を使用できることが明かされ、脅威の存在として描かれた。

 だが、セラフィムにはわずかに人格が残されており、ベースとなった人物の記憶や感情に影響されるという特性があることが判明する。その現象が最初に確認されたのが、このS-スネークだった。

 彼女に影響を与えたのは、オリジナルのハンコックがルフィに抱いた強烈な恋心だ。仲間たちの石化解除をルフィから肩をつかまれて頼まれた際、S-スネークは顔を真っ赤にして了承。涙目になって照れる姿を見せていた。

 さらに、ルフィからの「ありがとな」という言葉を「愛してる」と聞き間違えるなど、その反応はまさにハンコックそのもの。最強の人類が見せる恋する乙女の表情は衝撃的だった。

 セラフィムは本来、海軍および世界政府の命令に忠実な兵器である。だが、S-スネークがハンコックの恋心まで受け継いで本当に惚れているのであれば、将来的にはルフィの味方になる可能性も否定できない。ベガパンクの生み出した兵器が、科学をも超える“人間らしさ”の証明をしてくれる日が来るのかもしれない。

 

 ルフィに明確に惚れているシーンがあった女性キャラクターたちを紹介してきた。だが、彼女たち以外にも、これまでにルフィとかかわりを持ち、良好な関係を築いた女性は複数いる。

 アラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビや、リュウグウ王国の王女しらほし、ドレスローザの王女レベッカなどが代表的だが、今回紹介した3名ほどダイレクトな好意を示したシーンは描かれておらず、共闘する中で強く信頼している様子がうかがえることから、仲間や恩人として認識している可能性のほうが高いだろう。

 とはいえ、物語は最終章に突入し、ルフィは「四皇」の一角として海賊王の座に手をかけようとしている。そんな彼の魅力に惹かれ、新たに恋に落ちる女性が今後現れる確率も決してゼロではないことを覚えておこう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3