御坂美琴にホシノ・ルリ、小野寺小咲も…人気サブヒロインたちが成し遂げた偉業…想定外の「逆転現象」はなぜ起こったのかの画像
DVD『とある科学の超電磁砲 DVD-SET1』(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント) (C)鎌池和馬/冬川基/アスキー・メディアワークス/PROJECT-RAILGUN

 漫画やアニメ、ライトノベルなどでは、役割上出番が多くなりがちなメインヒロインが人気を集めやすい構造になっている。しかし昨今の作品では、メインヒロインよりもサブヒロインのほうが人気が高くなることも珍しくない。

 こういった逆転現象が起こることは作者の想定外かもしれないが、場合によっては作品の枠を飛び越えるほどの人気を示したケースも存在。あまりの人気ぶりにサブヒロインだったはずの彼女たちをフィーチャーした別作品が誕生することもあるのだ。

 そこでここではメインヒロインを押しのけて、別のスピンオフ作品などで主人公に昇格するほどの活躍が描かれた、人気のサブヒロインたちを見ていこう。

※本記事には作品の内容を含みます。

■サブヒロインからライトノベル史に名を残す最強ヒロインに昇格!?

 『とある魔術の禁書目録』(KADOKAWA)は、2004年から刊行されている鎌池和馬氏によるライトノベル作品。超能力が科学によって解明された世界の学園都市で暮らす高校生の上条当麻が、魔術師から狙われて逃げてきた少女インデックスと出会うことで物語は進む。

 同作のメインヒロインである見習いシスターのインデックスは、無邪気でかわいらしく人気が高い。しかし、小学生にしか見えない外見と子どもっぽい性格のため、主人公である上条の恋愛相手としては幼かった。

 そこで登場するのが、学園都市屈指のお嬢様学校である常盤台中学に通う御坂美琴だ。7人しかいないレベル5の超能力者でもある美琴は、自分を特別扱いしない上条と過ごす時間を心地よく感じるようになる。

 ぐうたらで温厚な上条と、ストイックでツンデレな美琴。真逆の性格ながら惹かれ合うふたりの初々しさから、「上琴」のカップリングはファンから圧倒的な支持を集めた。

 そして2007年から『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)にて同原作者による美琴を主人公とした外伝漫画『とある科学の超電磁砲』(作画・冬川基氏)の連載が開始。こちらの作品は「超電磁砲(レールガン)」の異名を持つ美琴が、学園都市で起こる事件を解決していくストーリーとなっている。

 さらに2009年に同作がアニメ化されると、美琴の人気はまさにとどまるところを知らない状態となった。その人気は『とある』シリーズのみならず、宝島社が発表している『このライトノベルがすごい』の女性キャラクター部門で、2010年から14年まで5年連続1位に君臨し続けるという偉業を成し遂げたのである。

■目立たないポジションから90年代アニメ最高峰のヒロインに!

 1996年から放送されたTVアニメ『機動戦艦ナデシコ』は、XEBEC制作のSFラブコメロボットアニメである。本作のメインヒロインは初代ナデシコ艦長で、主人公の幼なじみという王道ポジションのミスマル・ユリカだ。

 ホシノ・ルリはナデシコのオペレーターで、口数が少なく感情をあまり表に出さないミステリアスなキャラクターである。口癖は「バカばっか」で、自由でボケぞろいのナデシコクルーたちに、冷静に毒のあるツッコミを入れる役割を担った。

 当初は他のクルーたちと距離を置いていたルリだったが、少しずつ周囲に感化されて彼女もその「バカ」の一員に加わるようになる。

 そんな彼女は銀髪ツインテールに色白な天才寡黙少女と“属性"がてんこ盛り。ファンからは「ルリルリ」の愛称で親しまれ、人気が爆発する。

 その人気はアニメファン全体にまで広がり、アニメ雑誌の人気キャラクターランキングでは、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ、『スレイヤーズ』のリナ・インバースを抜いて1位を獲得したほど。絶大な人気を誇っていた綾波を超えたことは、当時大きな話題になった。

 そして1998年に公開された劇場版『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』では、なんとルリが主役に抜擢。TVシリーズのラストから3年後のストーリーが描かれている。

 この頃、警視庁とのタイアップでルリの交通安全ポスターが発行されるなど、当時の人気のすさまじさがうかがえる。

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