■スピンオフ作品で悲願の恋が成就!?
『ニセコイ』は『週刊少年ジャンプ』(集英社)で、2011年から2016年にかけて連載されていた人気ラブコメ漫画だ。主人公は「集英組」組長の一人息子の一条楽。メインヒロインはギャング「ビーハイブ」のボスの娘である桐崎千棘である。
高校生のふたりが親の都合でニセの恋人生活を送るストーリーとなっているが、実は楽が片思いしていたのはクラスメイトの小野寺小咲のほうだった。そして、彼女も中学時代から楽に想いを寄せているという関係である。
メインヒロインの千棘は暴力的な面もあるが明るく真っすぐな性格。ツンデレ属性もあって人気は高かった。しかし、おっとり系ながらしっかり者、細やかな気遣いもできる小咲の勢いは驚異的だった。
あまりに多くのファンから支持されていたこともあって、2014年から『少年ジャンプ+』(集英社)にて彼女が主役の『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の連載がスタート。作画を担当したのは、2017年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されて大人気ラブコメとなる『ぼくたちは勉強ができない』の作者・筒井大志氏である。
『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』は、小咲が魔法少女に変身して戦うパロディ漫画。パラレルワールドのためキャラクターの設定など『ニセコイ』とは異なる点も多かったが、その最終回では本編では叶えられなかった一条楽と恋人同士になるという、小咲の想いが報われる結末だった点も驚きである。
このほかにも谷川流氏の『涼宮ハルヒ』シリーズ(KADOKAWA)の長門有希も、メインヒロインのハルヒを上回るほどの人気を得たキャラクターだ。2009年から『ヤングエース』で連載されていた漫画『長門有希ちゃんの消失』は、2015年にTVアニメ化までされている。
物語上、どうしても前に出ざるを得ないメインヒロインに比べて、脇からさり気なく主人公を支える立ち位置になりがちな有能なサブヒロインは、人気を集めやすいのかもしれない。皆さんは、メインヒロイン以上に好きだったサブヒロインといえば、誰を思い浮かべるだろうか。


