■中性的な魅力が止まらない!『カムカム』ではかわいい弟役だった青木柚

 大量消費型恋愛体質男子と言われてはいるものの、決してミナトの性格が悪いというわけではない。そこが本作の面白さでもあり、視聴者の興味を引く部分でもある。

 信用していいのか迷うけど、勝男同様どこか憎めない。そんな複雑な感情を視聴者に抱かせるミナトは、優しさとマイペースさで曖昧で鮎美はもちろん、我々視聴者の心をも揺さぶる存在だ。その掴みどころのない魅力を絶妙に体現しているのが、青木柚さんだ。

 青木さんのナチュラルな人たらしぶりに視聴者からは、「誰にも分け隔てないけど厄介なタイプかも」といった役への評価はもちろんのこと、「青木さんうますぎ」「ミナトのイメージに合う」といった演技への称賛の声が寄せられている。

 本人は人との距離感が近いミナトを演じるにあたり、「誰にでもフラットに接し、こういう人いるよなという既視感を大事にした」とTBSのインタビューに答えている。あまりにナチュラルなミナトの人懐っこさは、青木さんのリアルで丁寧な役作りがあってこそなのだ。

 そんな名演技でますます人気を高めている青木さんは、2010年に子役として俳優としての道を歩み始めた24歳。中世的で可愛らしい顔立ちの中にどこか繊細で儚げな雰囲気をまとい、これまでにも多数の作品でその存在感を示してきた。

 ドラマ初デビューは、2011年放送の『ヘブンズ・フラワー』。以来『リーガル・ハイ』など複数の作品で経験を積み、2016年公開の『14の夜』で映画でもデビューを果たした。以来、映画を中心に活躍し、2020年の『サクリファイス』や2021年の『うみべの女の子』では主演に抜擢される。

 ちなみに同年には、水俣病に苦しむ人々の戦いを世界に伝えたアメリカ人写真家の軌跡を描くハリウッド映画『MINAMATA-ミナマタ-』にも出演。水俣病患者の少年役で主演のジョニー・デップさんとツーショットでの撮影に挑み、海外進出も果たしている。

 日本全国に知名度を広げたのは、2021年放送のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』だろう。演じていたのは三代目の主人公・大月ひなた(川栄李奈さん)の弟・桃太郎で、ひなたの同級生に片思いする高校球児役ということで爽やかな坊主姿を披露した。初々しくて可愛い桃太郎から一変した色気漂うモテ男子・ミナトの姿に、『カムカム』の視聴者からは「あの桃太郎が大人になってて驚いた」「雰囲気変わってかっこいい」といった声も多く寄せられている。

 話題を集め続ける『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で、ミナトの独特かつ掴みどころのない魅力を存分に体現している青木さん。10月10日より公開となった映画『秒速5センチメートル』では主人公・遠野貴樹の高校時代役として出演。近年さらに存在感を増す若手俳優の一人として、今後もますますキャリアを伸ばしていきそうだ。

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