漫画のキャラクターといえば、現実離れした個性的な衣装を身に纏っていることも珍しくはない。なかでも女性キャラたちが身に纏う戦闘スーツは、スタイリッシュでありながら、しなやかなボディラインが強調される独特の色気に多くのファンが魅了されてきた。
かっこよさと美しさが見事に融合した漫画ならではの衣装だが、実写作品においても、多くの女優たちがその持ち前の見事なプロポーションを活かし、戦闘スーツ姿を披露してきた。
今回は、新旧様々な実写作品で女優たちが見せつけた、美しき戦闘スーツ姿を振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■より戦闘向きに、かわいさも両立『キューティーハニー』佐藤江梨子
1973年に『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて連載開始された『キューティーハニー』は、主人公である少女型アンドロイド・如月ハニーが変身能力を駆使し、犯罪組織と戦いを繰り広げていくSFアクション作品である。
永井豪さんの代表作の一つで、現代における“変身バトルヒロイン”の元祖ともいえる伝説的な一作だ。
ハニーは「空中元素固定装置」の力を借りて戦闘形態であるキューティーハニーへと変身するが、そのコスチュームがとにかく奇抜なデザインで、当時視聴していた少年少女たちを魅了した。作品によって色合いなどの細部は異なるが、基本的には肩や胸元の布はなく、ぴっちりとした全身スーツを着用しているのが特徴だ。
2004年に公開された同名の実写映画では、ハニー役に佐藤江梨子さんが抜擢され、原作さながらのセクシーな戦闘スーツ姿を披露。映画版のスーツはピンク色をベースとしており、プロテクターで補強されていることもあって、原作よりもより戦闘向けに強化された印象を受ける。
このスーツは佐藤さんの体形にぴったりフィットする形で制作されており、原作通りのデザインも健在。胸部に空いたハート形のカットや、脇腹や足の付け根など、さりげない肌見せがアクセントとなっていた。
作中では数々のアクションも披露していた佐藤さん。剣を使った殺陣や長い脚を存分に活かしたキックの応酬など、戦う姿にも彼女のスタイルの良さが反映されていた。
当時のインタビューで、“『チャーリーズ・エンジェル』のキャメロン・ディアスみたいに、元気にセクシーな感じが出てれば嬉しい”と語っていた彼女だが、グラビアアイドルとしても活躍する佐藤さんのプロポーションの良さ、そして可愛くはつらつとした実写ならではの新たなハニー像を確立したと言えるだろう。
■黒のレザースーツが印象的な美人3姉妹『キャッツ・アイ』内田有紀、藤原紀香、稲森いずみ
身体にフィットしたスーツを纏う女性たちと聞いて、北条司さんの名作『キャッツ・アイ』を思い浮かべる人は多いだろう。
1981年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された本作は、女怪盗集団として活躍する美人3姉妹を描いた怪盗アクション作品となっている。
高い人気から、さまざまなメディア展開がされたが、1997年には『CAT'S EYE キャッツ・アイ』のタイトルで実写版映画が公開され、実写ならではの新たなキャッツアイたちの姿が描かれることとなった。
実写化に伴い、やはり気になるのは怪盗集団・キャッツアイとして活躍する来生三姉妹の配役だろう。
映画版では、大人びた雰囲気の長女・泪役に藤原紀香さん、明るく快活な次女・瞳役に稲森いずみさん、ボーイッシュな三女・愛役に内田有紀さんという豪華なメンバーが配役されている。
原作のキャッツアイといえばレオタード風のタイトな戦闘スーツが象徴的だが、実写版ではこれをかなり大胆にアレンジ。映画版の衣装は黒いレザー生地を用いたボディスーツとなっており、ときには猫型のマスクを着用したりと、猫というモチーフをよりスタイリッシュに表現している。
原作に比べると大きな変更点といえるが、演者である3人のスタイルの良さに新たなスーツがマッチしていた。
キャラクターごとに胸元や肩といった異なる場所をアピールするデザインも、それぞれの個性を絶妙に表現していると言えるだろう。キャストの豪華さはもちろん、原作とはひと味違うオリジナルのキャッツアイを見ることができる、実に貴重な映画作品である。


