尖ったセンスがぶっ刺さる「ファミコンの怪作」たち…今ではありえない「ムフフ設定」「カオス展開」の数々の画像
ファミコン『暴れん坊天狗』(メルダック)パッケージ 撮影:山口和則

 1983年に発売されたファミリーコンピュータは、家庭用ゲーム機を一気に普及させた存在として知られています。ファミコンブームは社会現象となり、『マリオ』や『ドラクエ』のような国民的ゲームソフトも生まれました。

 1000を超えるファミコン用ゲームソフトが世に送り出され、多くのファンを引きつけた万人受けするゲームがある一方、ごく一部のファンから熱烈に支持された「尖ったゲーム」も存在しました。

 その尖った部分は、ストーリーだったりシステムだったり作品によってまちまちですが、一般的な評価としては賛否両論あったのは否めません。そこで発売当時はファミコン少年だった筆者が、個人的に“尖った”ゲーム性に衝撃を受けたゲームタイトルを振り返ってみたいと思います。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■小学生には刺激が強い? ハレンチなコマンド満載なADV

 皆さんはムチとロウソクのセットと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? ……その答えは皆さんの心にしまっておいてもらうとして、ゲームの冒頭でいきなり「ムチ」と「ロウソク」が手渡されるファミコンゲームが『かぐや姫伝説』(ビクター音楽産業/1988年発売)です。

 タイトルからも分かるように、日本最古の物語ともいわれる「竹取物語」をモチーフにしたコマンド選択式のアドベンチャーゲーム。ですがその内容は、童話からはかけ離れたコミカルなものでした。

 ゲーム開始時に天の声が響き、「かぐや姫を見つけて力になってくれ」と頼まれるのですが、そのときに手渡されるのが先述のムチとロウソク。そこにいかがわしいニュアンスが含まれていることは、当時の小学生にも分かりました。

 それだけでなく、ゲームを進めるとストーリーの随所に下ネタや大人向けのお色気ネタがちりばめられています。「キスをする」や「はだかになる」といったコマンドが選べる時点で、「よくファミコンで出そうと思ったな」と驚いたものです。

 ちなみに『かぐや姫伝説』はもともとはパソコンゲームだったものを、タイトルを変えてファミコンに移植したものでした。

 ゲーム自体はバカゲーのテイストが濃いコマンド式アドベンチャー。選択を間違えたら即ゲームオーバーになるシビアなゲームではありますが、ハチャメチャでノリの良いストーリーは“バカゲー”として十分楽しめました。思わずツッコミたくなるようなユニークなバッドエンドが多数用意されていた点も、本作ならではの特長といえそうです。

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