■手に汗握った“最強”同士の戦い…『呪術廻戦』五条悟
芥見下々氏による『呪術廻戦』(集英社)の五条悟は、自ら「僕 最強だから」と称し、周りからもその実力を認められた現代最強の呪術師である。
五条の使う「無下限呪術」は作中屈指の能力であり、呪術高専時代に伏黒甚爾に殺されかけた経験を経てからは、一度も苦戦を強いられたことがない。1級術師が苦戦する特級呪霊すら、まるで雑魚扱いだった。
そんな桁外れの強さを持つ五条の存在は、多くの呪霊や呪詛師の活動の抑制につながっているほどだ。事実、五条が羂索によって封印された際は、呪霊による被害が急激に拡大した。
しかし、封印から解放され、「史上最強」と名高い呪いの王・両面宿儺と対峙した五条は、まさかの敗北を喫する。体を両断され、命を落とした。途中まで実力は拮抗しており、五条が勝利を掴みかけていただけに、その結末は多くの読者を驚愕させた。
五条の敗因は、宿儺が使用した最強の式神である「八握剣異戒神将魔虚羅」の能力を応用したことにある。宿儺は魔虚羅の「あらゆる事象への適応」を使って無下限術式を攻略し、「世界を断つ斬撃」で勝負を決めたのである。
結果として五条は敗北したが、「天晴れだ五条悟」「生涯貴様を忘れることはないだろう」という宿儺の発言からも、五条が“最強”であったことを疑う余地はない。ただ、宿儺の“最強”がそれを上回っただけだ。
圧倒的な実力で存在感を示し、主人公たちを導く“最強キャラ”たち。彼らの敗北は物語に深みを与え、主人公たちの活躍につながる重要な意味を持つ。その死は、決して無駄なものではないのである。


