『刃牙』地上最強の生物・範馬勇次郎の「意外といい人」エピソード「ファンサービスまでしてくれる?」の画像
少年チャンピオン・コミックス『範馬刃牙』第27巻(秋田書店)

 板垣恵介氏による『刃牙』シリーズに登場する範馬勇次郎は、作中屈指の規格外キャラとして知られている。「地上最強の生物」の異名を持ち、自身のわがままを己の力だけで押し通す。その存在は、アメリカ合衆国すら個人的に友好条約を結ぶほどの脅威と見なしており、国家であっても彼を縛ることはできない。

 圧倒的な強さを誇る勇次郎は、邪魔する者は容赦なく排除し、挑戦者は再起不能に追い込む。自分の思い通りにならないことは絶対に許さない性格の持ち主だ。そのため誰もが恐れ、挑んでくる格闘家はほとんどいなくなってしまった……。

 人の心を持っていない怪物のように見える勇次郎だが、意外と優しい一面をのぞかせることもあった。そのたび「え、そんなことするの?」と驚かされるが、そうしたギャップも彼の魅力の1つとなっている。今回はそんな勇次郎の「意外といい人エピソード」を紹介していこう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■勇次郎の口から「健康診断」の言葉が…!?

 地下闘技場の支配人である徳川財閥十三代目当主・徳川光成は、範馬勇次郎とその息子・刃牙の親子喧嘩がにおわされた頃、急に体調を崩してしまう。鎬紅葉の診察によれば、体の至るところが病に侵され、手のつけようのない状態であった……。

 そんな徳川を前にした勇次郎は、ちょっと見ただけで彼の体の状態を見抜く。そして、出た言葉が「ちゃんと健康診断 受けてんのかと思ってな………」だった。あの勇次郎が他人の体の心配をするとは、徳川はもちろん、多くの読者も驚いたはずだ。「健康診断」なんて、勇次郎にあまりにも似合わなさすぎる。

 この言葉を聞いた徳川はブチギレ、勇次郎らしからぬ言葉だと罵る。あまりにも興奮してしまい、「範馬勇次郎とあろう者が」と叫んだかと思うと、そのまま吐血して倒れてしまったほどだ。

 徳川はそのまま命を落とすのかと思われたが、予想外の結末を迎える。勇次郎と刃牙の戦いの場を演出し、最後まで観戦したことですっかり治ってしまったのだ。これには勇次郎も「いい気なもんだ…」とつぶやいている。

■実はサービス精神旺盛?

 刃牙との「地上最強の親子喧嘩」を終えた後、その様子が世界中に配信されたこともあって、勇次郎は一般人にまで知られるほど有名になった。ファンまで現れるようになったある日、花山薫と一緒に歩いていた勇次郎に、1人の若い男がサインを求めて近付く。

 あろうことか、あの勇次郎にサインを求める……ワンパンで殺されてもおかしくない状況にハラハラさせられるが、勇次郎はまさかの行動に出た。

 「取り込み中だ…」「下がれ」などと言いながらも、勇次郎は差し出された色紙を指1本で一瞬のうちに四分割にしたのだ。これを見て男は「あざァすッッ」と喜び、周りの人もしきりに羨ましがっていた。間近で勇次郎の超人的な強さを目の当たりにし、その証拠まで得ることができたからだ。

 勇次郎なりのパフォーマンスを目撃した花山は「お優しい………」と反応したが、まさにその通りである。それを言われた勇次郎は「もういい………」と照れたような様子を見せ、意外な可愛さを感じさせた。

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