■『ドラゴンボール超』「宇宙サバイバル編」老いてなお進化する武道家
亀仙人の真骨頂は、『ドラゴンボール超』の「宇宙サバイバル編」でも描かれている。第7宇宙代表として「力の大会」に参戦した亀仙人は、年齢もあって当初は力不足と思われた。だがいざ蓋を開けてみれば、その存在感は圧倒的だった。
亀仙人は巧みな戦術と経験を駆使し、若き戦士たちを翻弄。冷静な洞察力で敵の動きを見切り、次々と勝利をおさめていく。
特に圧巻だったのが、限界を超えて放つ「最大最強のかめはめ波」だ。全盛期をもしのぐ気迫と気功波で相手を真正面から打ち倒す姿には、かつての天下一武道会で見せた“武道の魂”が再び宿っていた。
その際、悟空やクリリンに向けて叫んだ言葉も印象的だ。「限界を決めるのはまだはやいと教えてくれたのはお主らじゃ」「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休め」「亀仙流はお主らとともにある!」――原作序盤で登場した亀仙流の教えが再び登場したばかりか、自身も弟子から教えられたと語る亀仙人の言葉からは、アツい師弟愛が伝わってくる。
亀仙流の教えを伝え、師として、戦士として最後まで立ち続ける姿は、まさに“亀仙人復活”の象徴だった。
悟空たちの師としての誇りを胸に、命を賭して世界を守ろうとし、再び立ち上がって若者たちに背中を見せた亀仙人。その姿は、年齢を超えた“真の武道家”そのものである。
『ドラゴンボール』の中で亀仙人が見せた戦いは、単なる戦闘シーンではない。そこでは、「老いてなお進化する人間の強さ」が描かれている。そして今日も、彼の教えは悟空たちとともに、世代を越えて受け継がれている。


