■「白狼」シン・マツナガの最期
一年戦争の末期、シン・マツナガのいるソロモン要塞に地球連邦の主力艦隊が迫っていた。司令官であるドズルは、ギレンやキシリアに援軍を要請するも、まともな救援は得られずにいた。
そこでドズルは、ジオン公王「デギン・ザビ」に直接増援を要請するため、特使としてシンを派遣する。しかしシンは増援ではなく、連邦との停戦を直訴することを考え、ジオン本国に向かうのだった。
だが、その動きを察知したキシリア直属のエース部隊「キマイラ隊」に襲撃され、シンは捕らえられてしまう。なんとか脱出したシンはマツナガ家が用意していた最新鋭機「ゲルググJ」を受領すると、自分を捕らえたジョニー・ライデンの乗る真紅のゲルググと激突する。
シンとジョニーの実力は拮抗したが、デギン公王の親衛隊によって制止される。そして、このときシンはソロモンが陥落し、ドズルが戦死したことを知るのである。一番大切な場面でドズルのそばにいられなかったことを悔み、シンは号泣した。
その後の彼は、ドズルの忘れ形見であるミネバ・ザビを小惑星「アクシズ」へと逃がすことに全力を注ぐ。そして連邦艦隊の追撃を食い止めるために戦い続け、生死不明として彼の戦いの記録は閉じられている。
ちなみにPlayStation2用ゲームソフト『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』(バンダイ)では、シン・マツナガはソロモンに残留し、ドズルと共闘する展開になる。しかし結局ドズルは討たれ、その後のア・バオア・クー攻防戦でシンも行方不明となるのだった。
今回は謎に包まれていたジオンのエース、「白狼」ことシン・マツナガのスピンオフ作品などに描かれた一年戦争での動きを振り返ってみた。MSV出身のシンは、ジョニー・ライデンと同様に人気が高い人物だ。彼の最後は「生死不明」とされているが、今後もさまざまな作品で彼の足跡が見られることを期待したい。


