■怪獣やサブタイトルにも見えるオマージュ的要素

 最後に、登場する怪獣やエピソードの構成についても考えてみよう。

 『ウルトラセブン』には、ウインダム、ミクラス、アギラという「カプセル怪獣」と呼ばれる怪獣たちが登場した。

 彼らは、ダンが何らかの理由で変身できない時に、セブンの代わりとなって凶悪な怪獣と戦う役割を果たし、セブンの良き仲間として大活躍していた。そして『ウルトラマンオメガ』には、そのコンセプトを受け継ぐかのように、「メテオカイジュウ」と呼ばれる、レキネス、トライガロン、ヴァルジェネスというオメガのサポートをする怪獣たちが存在する。

 ソラトの頼れる相棒であるコウセイが怪獣型のアイテムを手にし、意思疎通することで巨大化する彼ら。オメガと共に戦うだけでなく、アーマー形態へと進化し、オメガと合体して戦うことさえ可能だ。

 当時、“セブンとカプセル怪獣が合体したら面白いだろうな”と考えたファンは多いだろうが、まさに昭和の時代にはなかった発想が、令和になって実現したというわけである。

 また『ウルトラマンオメガ』第5話「ミコとミコト」に登場した伝説蛇獣オオヘビヌシノミコトは、そのフォルムが『ウルトラセブン』の宇宙竜ナースと酷似している。特に驚いたのは、ミコトとオメガが対峙するスチール写真が、当時のセブンVSナースの有名なスチール写真と非常に似通っていた点である。

 この時点で、本作は『ウルトラセブン』へのオマージュ的要素が強いことをうかがわせ、現代版リメイクと呼ぶにふさわしいことを証明している。

 さらには、エピソードタイトルにもオマージュは見られる。『ウルトラセブン』には「セブン暗殺計画」という前後編にわたるエピソードがあったが、『ウルトラマンオメガ』にも「オメガ抹殺指令」という、同じく前後編仕立ての大作エピソードがある。

 このような共通項の数々から、制作側が視聴者に『ウルトラセブン』を印象づけようとしている節さえ感じられるのである。

 

 『ウルトラマンオメガ』は前半が終了したばかりのため、今から視聴してもまだ十分に物語を追いかけることができる。これからオメガやメテオカイジュウに隠された秘密が、徐々に明らかになっていくことだろう。

 最終話を迎えた時、やっぱり『ウルトラセブン』だなと感じる瞬間が訪れるのか。その楽しみは尽きない!

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