■西の海のギャングは子煩悩な愛妻家!
シャボンディ諸島で「11人の超新星」として初登場したカポネ・“ギャング”・ベッジ。ファイアタンク海賊団の船長を務めるベッジは、登場当初こそ命令に背いた部下に容赦ない制裁を加えるなど非情で残忍な一面を見せていたが、2年後には四皇ビッグ・マムの傘下に加わる。
そこで出会ったのが、ビッグ・マムの娘であるシャーロット・シフォンだ。ビッグ・マムの子どもたちの多くは政略結婚の駒として扱われているが、ベッジはシフォンと結婚することになる。
ビッグ・マムの忠実な傘下として信頼を得ていったベッジは、シフォンとのあいだにペッツという1人息子も生まれた。だがそんなベッジは、いつかビッグ・マムを殺すという野望を秘めていた。
一方のシフォンも、実の母親であるビッグ・マムからひどい仕打ちを受け冷遇されていたこともあり、愛する夫の考えを聞いたときも冷静だった。それどころか実の姉に対して「私の家族はベッジとペッツ! それだけでいいの」と言い切ったほどである。
ベッジとシフォンの夫婦仲は大変良好だった。ベッジは息子のペッツも溺愛しており、対話中でも息子をあやすことを優先したり、赤ん坊口調で話しかけたりと、筋金入りの子煩悩ぶりを発揮する。
そして妻シフォンが兄のオーブンに人質に取られた時には、はるか彼方の船上からオーブンを正確に撃ち抜くなど、夫婦愛が伝わってくる救出劇も見られた。
冷酷なギャングから一転、家族を心から愛する父であり夫へと変貌したカポネ・ベッジ。彼の子煩悩な姿や妻シフォンとのアツアツぶりは、多くの読者をほっこりさせたことだろう。
今回紹介したのは1例にすぎず、派手なバトルやシリアスな流れの中で展開された相思相愛カップルのエピソードは、『ワンピース』の一服の清涼剤といえるかもしれない。現在進行形で描かれつつあるレイリー&シャッキーの昔話のように、新たなカップルのエピソードが語られることにも期待したい。


