10月11日から放送開始されたアニメ『グノーシア』。その原作である同名インディーゲームは、人狼ゲームとRPGを融合させた斬新な作風で高く評価されている。そしてアニメ版も、放送が始まった直後から、そのハイクオリティな作画やカメラワークなどで早くも話題となっている。
本作はゲーム原作ということもあり、ゲーム本編をプレイした上でアニメを楽しんでいるファンも多いことだろう。しかし筆者は、アニメから入った“新規勢”。この先どんな展開が待っているのかまったくわかっておらず、まっさらな状態でアニメを視聴している。「グノーシア」と検索するとどうしてもゲーム版の情報が出てくるので、いつネタバレを踏んでしまうかヒヤヒヤする日々である。
今回はそんなゲーム未プレイの視点から観た、アニメ『グノーシア』について語っていきたい。
※本記事はアニメ『グノーシア』第3話までの内容を含みます。
■まるで予測不能…この先一体どうなる?
星間航行船D.Q.O.を舞台に、人間を襲い消滅させる存在「グノーシア」をめぐる物語が展開されていく本作。船の乗員の中にグノーシアが紛れ込んでおり、疑わしい人物を会議と投票で選び、“コールドスリープ”させていく。
これは、作中でも説明されている通り「人狼ゲーム」そのもの。ゲームの場合、この人狼ゲームを「ループ」によって何度も繰り返しながら少しずつ物語が進んでいくシステムになっているようで、アニメでも第3話まで放送されている現時点では、これからどうなっていくのかまだわからないというのが正直なところだ。
しかし、個性的なキャラクターたちの軽妙なやりとり、テンポ良く進むストーリーのおかげで、序盤から作品の世界観に没入できる。「グノーシア」や「会議」「ループ」といった設定についても、小難しくなることなくわかりやすく説明されており、ストレスなく楽しめた。
ただ、ゲーム未プレイ勢として、やはり「気になる部分」も多々ある。
これまでの展開で最も気になる点といえば、やはり主人公であるユーリがなぜ記憶喪失になっているのかだ。また、なぜかユーリに親身に接し信頼を寄せてくる、軍人・セツとの関係も気になるところである。
セツは第1話でユーリに「私と君はまだ会ったばかりだよ」と説明しているが、その時の態度は何かを隠しているようにも見えた。そもそも、冷静沈着で用心深そうなセツが、会ったばかりの相手に信頼を寄せたり、今後を託したりするだろうか。おそらくユーリの失われた記憶、そしてそこに秘められたセツとの関係性が、物語の大きな鍵となるのだろう。
また、第1話終盤でセツから“死を乗り越える力”――ループ能力を与えられたユーリは、第2話ではループごとに“誰がグノーシアか”が変わると明かされる。
第3話からは新たなキャラクターが登場し、グノーシアが複数人潜んでいるケースもあると判明。しかも、グノーシアを全滅させてもループが発生するという謎の事態に……。
そもそもグノーシアとは何なのか、船の乗員たちはそれぞれどんな背景の持ち主なのか、グノーシアを全滅させてもループが発生してしまうのはなぜか……疑問は尽きないが、それらが今後の展開でどのように明かされていくのか、期待が高まる。
原作のゲームをプレイ済の視聴者は、おそらくアニメならではの演出や「あの場面がこうなるのか!」と比較する楽しみを味わっていることだろう。しかし、未プレイでわからないことだらけだからこそ、ストーリーを純粋に追えるという面もある。「ゲームではどうなっているんだろう……」と気になってしまう部分もあるが、このまま最終話まで視聴してから、あらためてゲームをプレイして“答え合わせ”する逆パターンもアリかもしれない。
放送開始から間もなく大きな話題を呼んでいるアニメ『グノーシア』。「“人狼”推理劇×SFループミステリー」を謳う本作は、原作ファンはもちろん、未プレイの人にも刺さる魅力的な作品となっているのは間違いない。
物語はまだ始まったばかり。未チェックの人も、この機会にぜひ一度視聴してみてはいかがだろうか。


