■あちこち伏線だらけ…序盤から考察が止まらない

 これまで作中では3つの事件が起こったが、その鍵になると思われるのは小学生の頃描いた「将来の夢の絵」と、小山が昔仲良しグループのために作った「替え歌」だ。

 転落した武田は「空を飛ぶ」、火災に巻き込まれた桜井は「消防士」。そしてトラックに轢かれた笑美は「スポットライトを浴びるアイドルの絵」で、かつて夢見たスポットライトではなく車のヘッドライトを浴びせられるという、なんとも皮肉な最期を迎えている。

 笑美だけやや強引に思えるが、彼女は事件の夜、本当はクラブのステージで急遽代役として踊るはずだった。その予定をドタキャンし園子に会った帰り道で轢かれているので、本来はステージの真っ最中、あるいはその前後で殺されていたのかもしれない。

 次なる被害者となることが疑われる小山は、「宇宙飛行士」の絵を描いていた。これまでの流れから考えると、宇宙にちなんだ殺され方をする可能性が高い。彼は第1話でプラネタリウムホールらしき場所にいたので、そこが事件現場になるのだろうか?

 また、小山については、“アメリカにいたのにこのタイミングで帰国”、“楽しげに鼻歌を歌いながら桜井の病室を訪れる”、“高木も忘れていた替え歌を覚えていてその話題を出す”など、怪しさ満点な人物でもある。さらに第3話の予告では、武田の遺体の写真をスマートフォンで見ているような場面まであった。ここまで怪しいと逆に真犯人ではなさそうだが、事件になにか関与していてもおかしくない人物なのは確かだ。

 怪しいといえば、第1話で妙な存在感を放っていた「委員長」こと小林紗季の存在も気になるところだ。彼女は肩書き通りに「良い子」の象徴のような存在であり、作中で「悪い子」という言葉をいち早く口にした人物でもある。タイトルとの結びつきが感じられる点から、今後のキーパーソンとなってくるのかもしれない。

 それにしても、第2話で替え歌が事件に関係していると判明したことから、犯人像が少しだけ絞られたように思える。

 絵だけであれば、今回の同窓会でそれぞれの内容を見てはじめて犯行に利用しようと思いついた可能性もある。つまり、同窓会の出席者全員、何なら情報を又聞きした第三者も容疑者となりうる。

 しかし、仲間うちの替え歌で「見立て殺人」をしているとなると……他愛もない歌詞を22年経った今でも覚えていて、わざわざそれになぞらえて人を殺しているわけだ。そこからは、長年熟成された強い感情が感じられる。犯人と高木たちのグループの間には、想像以上のただならぬ因縁があると考えられるが、とはいえ、当時と現在の人間関係がどちらもはっきりとしていない今は、クラスメイト全員が怪しく見えてくる。

 SNSでも、すでに何人かの登場人物が“怪しい”と話題になっている。クラスメイトはもちろん、園子の同僚である『週刊アポロ』記者・東雲春香、高木行きつけのレトロスナック「イマクニ」の店主・今國一成など、クラスメイト以外の周辺人物にも疑いの目が向けられている。

 ポスタービジュアルで登場人物が手にする“小学生時代の写真”に注目し、その背景や印字を分析する考察も白熱しており、そうした視聴者の予想合戦も楽しみの1つとなりそうだ。

■本編以外の伏線も見逃せない!

 上に挙げたポスタービジュアルのような、本編以外に散りばめられた要素も見逃せない。オープニング映像は子どもたちが走る映像から始まるが、第1話では6人いたのが第2話では5人になっている。さらに武田の写真が裏返しになる描写からも、これは死亡者をあらわす演出と見ていいだろう。おそらく第3話では、笑美が同様の扱いとなるのではないだろうか。

 それ以外の部分も各話に合わせて微妙に変化しているので、オープニングは毎回見逃せないポイントとなりそうだ。うっかり飛ばしたり目を離したりすると、重要な伏線を見逃してしまうかも?

 また、タイトルロゴをよく見てみると、「良いこ」の「こ」は「い」を、「悪いこ」の「い」は「こ」を反転・回転させているようだが、こちらもなんだか意味深だ。SNSでは「善悪が表裏一体であることを表している?」と話題になっており、ゆくゆくは物語のテーマと深く関係していきそうである。

 

 ハイペースで展開される物語に、視聴者の考察も熱を帯びる『良いこと悪いこと』。第2話の時点ですでに多くの伏線が散りばめられており、今後の展開から目が離せない。第3話放送前にこれまでの放送を見返してみると、また何か新たな発見があるかも?

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