■炎の気高さを宿した“実写版セーラーマーズ”『セーラームーン』北川景子

 2003年放送の特撮ドラマ版『美少女戦士セーラームーン』は、武内直子さん原作の名作を実写化した話題作だった。本作で北川景子さんが演じたのは、火星を守護星に持つ戦士・火野レイ=セーラーマーズだ。

 撮影当時、まだ高校生だった北川さんは、まさに原作漫画やアニメを見て育った世代だ。グレーの制服姿や緋色の巫女装束といったレイおなじみの衣装を披露し、戦闘シーンでは真紅のピアスと赤を基調にしたセーラー服姿で登場。原作のビジュアルを丁寧に再現していた。

 レイの象徴でもある赤いハイヒールについては、冬場の撮影で“(セーラームーンら)ブーツの子がうらやましかった”と笑いながら語ったエピソードも。また、アクションシーンでは“キックができない”と、演技に苦戦したそうだ。

 本作は北川さんにとって記念すべきドラマデビュー作であり、本作を後に振り返り「この1年間で鍛えてもらったことは、すごくいい経験だったなと思います」と語っている。

 さらに共演した仲間たちとは今も“戦士会”という名の交流が続いており、当時の絆は今も健在だ。デビュー当時からすでに漂っていた北川さんの芯の強さと気品は、まさに炎の戦士・セーラーマーズそのものだった。

 

 今回紹介した松浦亜弥さんの麻宮サキ、黒木メイサさんの峰不二子、北川景子さんのセーラーマーズ。いずれも原作の象徴的なビジュアルを再現しつつ、現実世界で説得力のある“大胆戦闘服”を身にまとった女優たちだった。

 彼女たちの姿は、単なる衣装の再現にとどまらず、戦闘能力や存在感といったヒロインとしての強さを画面いっぱいに表現していた。それぞれの個性が光る戦闘服姿は、今なおファンの記憶に鮮烈に刻まれている。

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