■『FF5』まさかのクリア方法「エクスデス窒息死」

 『FF5』には、ラスボスを倒さずにゲームがクリアできるという衝撃的な裏技も存在する。「エクスデス窒息死」と呼ばれるこの技では、通常プレイでは想定されていない手順を利用した抜け穴をつく。

 第三世界の沈んだウォルスの塔は侵入するとタイマーが発動し、一定時間が経過すると「窒息死」してしまう仕組みになっている。戦闘中でもこのタイマーは進行する。

 本来ならば塔を出るとタイマーは解除されるが、塔の一部には「壁抜け」できるバグがあり、これによりタイマーを作動させたまま外へ出ることが可能。そのままゲームを進行させると、なんとラストバトルまでタイマーを持ち越すことが可能なのだ。

 「ダッシュ」アビリティを使って移動時間を短縮し、戦闘は「とんずら」で逃げ続け、エクスデス戦中にタイマーを0にすれば戦闘は強制終了。ラスボスを倒していないにもかかわらず、ゲームはエンディングへと突入する。

 まさに裏技の極みとも言える脱力系クリア方法である。

■『FF4』ダンジョン攻略をスキップ…!?「闇のクリスタルバグ」

 『ファイナルファンタジーIV』にもゲームの進行手順を変えてしまうほどの裏技がある。地下世界のドワーフ城で、ゴルベーザに闇のクリスタルを奪われるイベントの後、本来ならもう戻れないクリスタルルームに「デジョン」の魔法を使って戻ることが可能だ。

 そこには奪われたはずのクリスタルがなぜか残っており、再入手できてしまう。しかもこのクリスタルは、「ふういんのどうくつ」のものと同一扱いとなるため、本来なら攻略が必須となる「ふういんのどうくつ」をスキップすることが可能になる。

 ただし、この洞窟ではクリスタル入手後にカインが離脱するイベントが発生する。スキップしても洞窟に入るとカインが離脱するため、その点には注意が必要だ。

 

 『FF』シリーズの裏技は、単なる攻略の近道にとどまらず、プレイヤーに「こんなこともできるのか」という驚きと遊び心を与えてくれた。攻略本にも載らない、誰かから聞いた口伝のような情報が、当時の子どもたちのあいだで受け継がれていったのだ。

 今となっては修正された技もあるが、あの頃「みんなの常識」として共有していた情報は、今も忘れられないものばかりだ。

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