ゲームに「裏技」はつきものだ。時にはプレイヤーの窮地を救い、またある時にはゲームバランスを粉々に打ち砕く。特に『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズでは、アイテムの増殖や一撃必殺の裏技などが発見されており、インターネットが普及していなかったファミコン時代は主にゲーム雑誌による発信や口コミを経由して広まっていった。
ラクにクリアしたかった子どもにとっては夢のような裏技も多く、眉唾物と思いながらも実際に自宅で再現し、腰を抜かすほど驚いた人も多いだろう。
今回は、歴代『FF』シリーズの中でも特に有名で、多くのプレイヤーがやっていたであろう裏技を振り返りたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■『FF5』金策に持ってこいの「99個盗み」の技
1992年にスーパーファミコンで発売された『ファイナルファンタジーV』は、さまざまなジョブが登場したタイトル。多彩なアビリティが魅力的であり、いわゆる「ジョブシステム」がひとつの完成を迎えた作品といっても過言ではない。
そんな『FF5』には、プレイヤーにとってうれしすぎた強烈な裏技が存在した。それは、忍者のアビリティ「なげる」と、シーフのアビリティ「ぬすむ」を駆使する、通称「99個盗み」と呼ばれる裏技。盗んだアイテムが99個に増えるという強烈なメリットが得られた。
手順はこうだ。まず「なげる」「ぬすむ」をアビリティにセットしたキャラクターを用意し、増やしたいアイテムを1個も所持していない状態にする。
次に、そのアイテムを盗める敵との戦闘に入る。戦闘中に武器を装備して空欄を作り、「なげる」でそのできた空欄を選択する。すると、空欄の個数が「キ5」などと表示されるので、もう一度なげる。その後「ぬすむ」で敵からアイテムを奪うと、盗んだアイテムが99個に増えている。
これを使えば、序盤に出てくる「アイスソルジャー」から「ミスリルソード」を盗んで売りまくることができ、いきなり大金持ちになれる。さらに通常時は1個しか盗めない「ギルガメッシュ」が持つ「源氏シリーズ」も、この裏技を使うことで簡単に増やすことが可能。金策やレアアイテム収集において、多くのプレイヤーがこの技を活用したはずだ。
■『FF6』まさに最凶の裏技「バニシュデス」
『ファイナルファンタジーVI』における最凶の裏技といわれているのが、通称「バニシュデス」と呼ばれているコンボ技。SFC版およびPS版で使用可能で、当時からかなり多くのプレイヤーが認知していた裏技だ。
まず敵に透明状態を付与する魔法「バニシュ」をかけ、その後に即死魔法「デス」を使うというもの。透明状態の敵には魔法が必中になるという仕様を利用して、問答無用で即死させることが可能。ボスであろうが即死耐性があろうが関係ない。耐性を無視して魔法の効果が通るので、ゲームバランスを崩壊させるほど効果絶大な技だった。
あまりに強力すぎたため、GBA版以降はこの仕様が修正され、バニシュの透明状態でも即死魔法は効かないようになっている。
それほど有名かつ便利すぎた裏技であり、『FF6』をプレイした人なら一度は使ったことがあるのではないだろうか。


