
ゲーム『ポケットモンスター』は、2026年で発売30周年を迎える大人気シリーズだ。そして2025年10月16日に発売された最新作『Pokemon LEGENDS Z-A』も大きな注目を集めている。
こうして『ポケモン』が盛り上がっている中、9月5日に突如「マイ・フレンド・カラマネロ」という謎の公式キャンペーンが実施。「カラマネロの人気爆発!?」といったタイトルの実写動画が投稿されたり、カラマネロの仕業でポケモン情報局の公式Xの文字が「ぎゃくてん」したりする事態となった。
もちろん、これは公式による「愛のあるイジリ」であり、カラマネロが本当に世界的な大人気ポケモンになったわけではない。最新作『Z-A』のキャンペーンの一環だったようだが、なぜカラマネロはこれほどイジられるのだろうか。
ポケモンシリーズを『赤・緑』の時代からプレイし続けてきた筆者が、その不思議な人気の理由を探ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■『ポケモンX・Y』初登場時の衝撃
カラマネロの初登場は、2013年に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『ポケットモンスターX・Y』である。同作でシリーズ初となる3Dポリゴンが採用され、ポケモンたちの姿が立体的になった。ちなみに同作の舞台でもあるカロス地方の大都市「ミアレシティ」は、最新作『Z-A』の舞台にもなっている。
ポケモントレーナーとしてのファーストコンタクトは、カラマネロの進化前の姿である「マーイーカ」だ。その名が示す通り、見た目はイカそのもので、野生の生息地も海岸だったことから、多くのトレーナーが「水タイプ」だと思い込んだことだろう。
しかし、水タイプに対して「効果はバツグン」のはずの電気や草の技でバツグンが取れず、捕まえてから初めてマーイーカが「悪・エスパー」タイプであることに気づいて驚かされた。
また小さいイカのような見た目から進化を残していると確信するも、いくらレベルが上がってもマーイーカは進化せずに戸惑ったことも忘れられない。
断腸の思いで攻略情報を調べ、進化の条件はまさかの「ゲーム機本体を上下逆さまにしてレベルアップ」という衝撃的なものだったことを知る。
確かにニンテンドー3DSにはジャイロセンサーが搭載されていたが、自力でこの進化条件を見つけられたトレーナーは何人いたのだろうか……。
初登場から「まさか」づくしだったカラマネロ。このような意外性によって、認知を深めていったのかもしれない。
■ついにメガシンカ! 危険すぎるその生態とは?
そして最新作『Z-A』でカラマネロは、満を持して戦闘中に姿と能力を変化させる「メガシンカ」が可能となった。その姿はもはや「イカ」というよりも、脳部分を肥大化させた「エイリアン」や「インベーダー」といったほうがしっくりくる。
そういえば、ポケモン図鑑のカラマネロの解説自体、物騒な内容が多かった。「ポケモンで一番強力な催眠術を使う。相手を意のままに操ってしまうのだ」(ポケモンX)、「歴史を変えるほどの大事件はカラマネロの催眠能力がかかわっていたと言われている」(ポケモン シールド)などが印象的だ。
さらに『Z-A』の公式サイトによれば、メガシンカによりメガカラマネロになることでサイコパワーは大幅に向上し、強力な催眠術で相手の人格や記憶まで自在に書き換えることが可能になったという。
自分のトレーナーさえ駒として見ており、メガカラマネロの意思に反した指示を出すと逆に催眠術をかけられる危険があり、付き合うことが非常に難しいとされる。
これはさすが大げさな表現だとは思うが、こうした危うさを秘めている点もカラマネロのミステリアスな部分といえるのだろうか。