双子座のサガ、蟹座のデスマスク、それとも乙女座のシャカ? 『聖闘士星矢』絶対に受けたくない「黄金聖闘士の技」はどれだ?の画像
「聖闘士聖衣神話EX バルゴシャカ<20thリバイバル版>」(BANDAI SPIRITS) (C)車田正美/集英社・東映アニメーション

 車田正美氏の代表作である『聖闘士星矢』は、1985年より『週刊少年ジャンプ』で連載が開始されて以来、全世界での累計発行部数が5000万部を突破している不朽の名作だ。人気の理由は多岐にわたるが、中でも「黄金聖闘士」と呼ばれる実力者たちの存在は大きいだろう。

 黄金聖闘士が初めて作品に登場した当初、彼らは主人公・ペガサス星矢率いる青銅聖闘士たちの敵でもあった。黄金聖闘士たちが繰り出す技は人間離れしており、星矢はもちろん、作品を読む読者たちに絶望感すら与えた。

 ここでは黄金聖闘士の技の中でも「絶対に受けたくない」と思わせる恐ろしい技をピックアップしてみたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■異次元に飛ばされてしまう、双子座のサガ「アナザーディメンション」

 まず最初に紹介するのは、最強の黄金聖闘士の一人として知られる双子座(ジェミニ)のサガが繰り出す大技「アナザーディメンション」だ。この技は強制的に異次元に飛ばされてしまうというもので、技を受けた者は未来永劫、永遠にその場所から逃げ出せずに漂い続けるという。

 「双子座の幻影の巻」にて、双児宮でジェミニと戦ったアンドロメダ瞬はチェーンによってかろうじて回避するものの、一緒にいたキグナス氷河はなすすべもなく飛ばされてしまう。再び放たれたアナザーディメンションを受けて瞬も窮地に陥るが、その瞬間、何者かがサガの脳内に働きかけ、技が阻止された。

 サガ自身、“こんなことができるのは女神(アテナ)か、牡羊座のムウや老師以外にいない”と驚愕していたことからも、この技を打ち破ることがいかに困難であるかがうかがえる。ちなみに、このとき瞬を助けたのは、遠く離れたデスクィーン島にいたフェニックス一輝の小宇宙(コスモ)だった。

 黄金聖闘士編の終盤でもサガは星矢の前に立ちふさがり、この技で星矢を異次元空間へ飛ばしている。一度飲み込まれれば、ただ永遠の孤独と虚無が待つのみ。まさに究極の技だといえる。たとえお試しであっても、絶対に受けたくない技の一つである。

■冥界に飛ばされる蟹座のデスマスク「積尸気冥界波」

 次に挙げるのは、名前の通り「死」と深くかかわる技、蟹座(キャンサー)のデスマスクが放つ「積尸気冥界波(せきしきめいかいは)」である。

 サガのアナザーディメンションが相手を「異次元」へ送るのに対し、デスマスクの技は相手の魂魄を肉体から引き剥がし、強制的に「冥界」の入り口へ送り込むという恐ろしい技だ。

 「巨蟹宮の死闘の巻」にて、デスマスクと対決をした青銅聖闘士・ドラゴン紫龍。この積尸気冥界波を受けた際、魂を抜かれた紫龍は「積尸気」(積み重ねた死体から立ちのぼる鬼火の燐気)に吸い込まれてしまう。

 意識を取り戻したとき、紫龍は現世への帰還が許されない死者の列に加わろうとしていた。アテナ(城戸沙織)のおかげでなんとか命拾いするものの、本来であれば、一度でも死の国に足を踏み入れれば、二度とこの世に戻れないという。

 この技の真の恐怖は、外傷的なダメージではなく、受けたら最後、冥界行きが確定してしまうことにあるだろう。

 のちに紫龍は再びこの技を受けることになるのだが、このときは「黄泉比良坂(よもつひらさか)」と呼ばれる死の国への落とし穴へと連れ去られてしまう。その後、デスマスクによって殺された罪なき人々の亡者がデスマスクに襲い掛かる描写も、インパクトの強いシーンであった。

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