■父に翻弄されて悲劇に見舞われるも健気な姿にホロリ
武士にこだわる父だったが、同じく上級武士だった親戚の雨清水傳(堤真一さん)が髷を落として商いを始めたと知ると考えを改めだす。
思いついたのが、巷で流行っているというウサギの販売業だ。父曰く、世間では最高600円の値がついたこともあるという。ちなみに、トキの学費が年間6円なので、とんでもない高値だ。
しかも、家族に報告した時にはすでに、仲間の金成初右衛門(田中穂先さん)と共に大量のウサギを仕入れていた。だが、母とトキは胡散臭いと思うも、前向きになった姿を見てその判断を尊重することにした。父が怪しい仕事を始めるなんて不安しかないであろうに、なんと健気な子だろうか…。
幸先よくウサギが売れて勢いに乗る父は、金を限界まで借りてウサギを仕入れた。が、この選択が後に大きな波乱を呼ぶこととなる。金成が取立に連行され、その日の夜から父も帰ってこなくなってしまったのだ。
数日後、トキはポツンと佇む父を発見。必死に追いかけ、「何があったってどうでもええ!帰ろう!帰ろう!」と涙ながらに何度も声をかけた。そして、母もまた「あなたがいないとしじみ汁が美味しくない」と父に声をかける。
だが、父の口からでたのは「父が帰って4人で暮らせればよいか……おトキ、良き娘に育ってくれた。では働いてくれるな? 明日から」という予想外の言葉だった。
「え?」と動揺するトキと母に、父はウサギの相場が暴落して莫大な借金を抱えたという衝撃の事実を告げる。冷静に考えると、とんでもない父である。かくしてトキは、学校にも行けない状況に陥ってしまう。傷つくトキにとどめを刺すように、夜の食卓には可愛がっていたウサギが味噌汁になって並ぶのだった……。
大好きな父を連れ帰ろうと必死に手を伸ばすトキの姿はあまりにも切なく、見る者の涙を誘う。明るさだけでなく泣きの演技も秀逸で、今後のさらなる活躍がいっそう期待されるといえよう。
わずか数話の出演ながら、天真爛漫な笑顔と自然体な演技で大きな注目を集めた福地さん。これからも、多くの作品でその活躍が見られることを期待したい。


