■噛ませ犬でしかない『仮面ライダーアマゾン』サンショウウオ獣人
1974年10月から放送開始した『仮面ライダーアマゾン』にも第23話「にせライダー対アマゾンライダー」に“にせアマゾン”が登場する。
ガランダー帝国の戦闘員たちに襲われた立花藤兵衛の前に、アマゾンが助けに現れるがどうにも言動がおかしい。怪しんだ藤兵衛は、アマゾンにかまをかける。すると、不敵な笑みを浮かべたアマゾンが実はサンショウウオ獣人だったことが明らかになる。
すっかり疑心暗鬼になってしまった藤兵衛は本物のアマゾンさえも簡単に信用できない。本物と偽物を見極める方法、それはギギの腕輪をはめているかどうかだった。
ヘリウム爆弾作戦を実行せんとするサンショウウオ獣人を止めようとするアマゾンだが、毒を使って岡村りつ子と弟のまさひこを人質にとる獣人の手口に悪戦苦闘。しまいには、自らと同じ姿へと変身され翻弄されてしまう。さらに必殺の大切断も通用しない。
アマゾンライダーでも倒せない強敵が出現か!? と視聴者を驚かせるが、おめおめとアジトへと戻った獣人はゼロ大帝の手によって殺されてしまうのだった。
宿敵ガランダー帝国との戦いが佳境中の佳境に差し掛かったタイミングで、とんだ噛ませ犬だった。
■姑息な作戦も失敗『仮面ライダー(新)』ドロリンゴ
初代『仮面ライダー』をリメイクする形で製作された『仮面ライダー(新)』(1979年)には、ショッカーライダーを思わせる“にせスカイライダー”が登場する。
第48話「4人のスカイライダー 本物はだれだ?」にて、スカイライダーに化けたネオショッカーの怪人ドロリンゴは、黄色いブーツに黄色いマフラーというショッカーライダーを彷彿させる出で立ちで子どもたちの前に現れる。そして子どもたちを乱暴に扱うことで、スカイライダーに対する評価を著しく悪くしていく。
ネオショッカーの作戦は、すっかり信用を無くしてしまったスカイライダー=筑波洋を仲間に引き入れることだったが、本物のスカイライダーはそんな姑息な作戦に引っかかるはずがない。
スカイライダーは、卑怯な手を使い続けるドロリンゴの作戦に乗っかるフリをしてアジトに侵入し、ドロリンゴと決着をつけようと戦いを挑む。だが、そこに3人のにせスカイライダーが登場。助太刀にやってきたがんがんじいが、本物と偽物の区別がつかず四苦八苦している中、スカイライダーは力の差を大いに見せつけ、最後はスカイキックでドロリンゴを打倒した。
たとえ悪評がまかり通ったとしても、正義の仮面ライダーが敵組織に手を貸すとは思えないのだが……。
■10大ライダーを騙す狡猾さ『仮面ライダーBLACK RX』ガイナニンポー
主人公ライダーの偽物に化けても上手くいかないことを悟ったのか『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)第45話「偽ライダーの末路」に登場するガイナニンポーは少し異なる手段を用いてくる。
もともとガイナニンポーは、第37話にてRXの仲間である霞のジョーに化け悪事を働くが、あえなく倒されてしまった過去を持つ。その後、ガイナニンポーは霊界怪人として復活を遂げ、今度はRXを助けに現れた仮面ライダー1号に化けるアイデアを思いつく。10大ライダーを倒すための奇をてらった作戦であった。
クライシス帝国打倒のため、10大ライダーたちは作戦会議を敢行。ところが何かがおかしい。最強怪人グランザイラスを倒すため、その身を犠牲にしたRXを除き、仮面ライダーは1号からZXまでの10人しかいないはず……そこには目を疑う光景が広がっていた。
なんと! 仮面ライダーが11人いるのだ。そして1号ライダーが2人いるではないか!
10大ライダーさえも騙してしまうほど、あまりにも狡猾な手段を用いたことは評価したい。それにしても、南光太郎の仲間である五郎とジョーが声を荒げるまで気づかない10大ライダーも10大ライダーである。それでも、結局はまんまと見敗れられてしまい、1号のパンチを浴び正体を現したガイナニンポーは、バイオライダーの手により撃破された。このような状況で偽物に化けて何の意味があったのか……。
本物と同じだけのパワーを発揮できるにせライダーを作り出せるなら、何も苦労しない……。
仮面ライダーを倒そうとあの手この手を使う敵組織だが、こと、にせライダーを使った作戦に関しては、実に穴だらけの成功不可能な自爆ミッションであることが多いようだ。
ライダーを倒すため、偽物に化けなければならなかった彼らは、敵怪人の中でも何とも気の毒な存在である。


