
10月1日水曜日22時より、三谷幸喜さんが脚本を手がけるドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)の放送がスタートした。
『古畑任三郎』『振り返れば奴がいる』『王様のレストラン』など数々の名作を世に送り出してきた三谷さんが、2000年の『合い言葉は勇気』以来、実に25年ぶりにゴールデンタイムの民放連続ドラマを手がけるとあって、放送前から大きな注目を集めていた本作。
物語は昭和の渋谷を舞台に描く青春群像劇で、第1話の放送終了後からすでに豪華すぎるキャストやストーリーに対し、多くの感想の声が寄せられている。今回は、そんな第1話の内容とキャスト陣を振り返っていきたい。
※本記事は作品の内容を含みます。
■昔懐かしい昭和が舞台!第1話の振り返り
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』という長いタイトルから、「青春群像劇といっても、どんな内容なんだろう」と思っていた人は多いだろう。本作は、シェイクスピアをモチーフに掲げ、80年代に青春を過ごした三谷さん自身の半自伝的要素を織り交ぜたオリジナル作品となっている。
舞台は、安定成長期からバブル経済期に差し掛かっていた1984年の東京・渋谷。まずは、作品の世界観と1話のあらすじを見ていこう。
渋谷駅から徒歩8分ほどの距離にあることから名付けられた繁華街「八分坂」。ストリップ劇場や喫茶店、飲み屋がひしめくこの街は、ネオンがきらめき夜な夜な人々が吸い寄せられるように集まる場所だ。モデルは実在する繁華街「しぶや百軒店」だと推測されるが、三谷さんは記憶に残る渋谷を再現するために、千葉県茂原市に大規模なオープンセットを建設したという。
さて、そんな八分坂の街角に、菅田将暉さん演じる主人公・久部三成の姿があった。蜷川幸雄に憧れて劇団を作った彼は横暴な振る舞いのせいで団員から反感を買い、半ば追い出されるように団を飛び出し、当てもなくこの場所に足を踏み入れていた。
久部はジャズ喫茶「テンペスト」で管を巻き、八分神社では巫女も驚く“白紙”のおみくじを引く。そして再びネオンきらめく八分坂をさまよい、無料案内所にたどり着き、そこでスナック「ペログリーズ」を紹介される。
「ペログリーズ」には、不思議な魅力を放つ倖田リカ(二階堂ふみさん)がいた。だがこの店は「WS劇場」が経営する“ぼったくりスナック”で、金のない久部は大切な「シェイクスピア全集」を人質に取られてしまう。
一方、「WS劇場」も経営難で閉館の危機に陥っていた。支配人はオーナーに頼み込んで1か月だけ猶予をもらうも、スタッフ不足で今夜の営業すらもてんやわんや。そこで、劇場のダンサー兼ペログリーズの店員であるリカが駆り出されることになった。ここから一気に物語が動き出す。
劇場に忍び込んだ久部は、偶然ステージで踊るリカの姿を見て雷に打たれたような衝撃を受ける。そして、導かれるようにスポットライトを操り、彼女に当てる。それは、演出家として行き詰っていた久部が“ミューズ”を見つけた瞬間となった。
……というストーリーが描かれた『もしがく』第1話。ミューズを見つけた久部がどのようにWS劇場と関わっていくのか、八分坂で人生を変えることができるのか、今後の展開に期待が高まる。