■遠隔操作で完遂された密室殺人

 最後に紹介するのは、特別編「ガリレオΦ」で登場した、蟹江敬三さん演じる友永幸正である。友永は金属加工専門企業「友永スチール」の前社長で、犯行には自身の得意分野の技術が活かされていた。

 友永の息子が、自宅からほど近い場所にある離れで死亡する。直前に花火による火災が発生し、焼死体となって発見されたため当初は事故死かと思われた。しかし、遺体に刺された傷があったことから殺人事件として捜査が開始される。

 被害者の死亡時、部屋は完全な密室だった。そのため、凶器も殺害方法もさっぱり分からなかった……。

 そのトリックは、友永が仕込んだ爆発物と金属片だった。熱で変形する金属の性質を利用し、爆発の衝撃で鋭利に尖らせた金属片を息子に向けて飛ばし、殺害したのである。

 友永は事前に息子の部屋に忍び込み、杖に仕込んだレーザーポインターで金属片の発射角度を緻密に計算していた。そして、頃合いを見て遠隔操作で爆発させたのだ。凶器の金属片は殺害後に飛び散ってしまい、痕跡として残らなかった。

 この難解な密室殺人に警察も頭を悩ませ、湯川が捜査に加わることになる。湯川は友永を疑って捜査を進めていくが、凶器の特定はできなかった。

 しかし、事件発生時に釣り人の釣り糸が突然切れたと聞いて、金属片が凶器だと突き止める。そこから事件解決へと向かっていくが、その途中、湯川はなんと友永本人からヒントをもらっている。

 友永は、自身の杖にレーザーポインターが仕込まれていることなど、数々のヒントをあえて湯川に提示していた。このヒントがなければ、事件解決はさらに難しかったかもしれない。

 

 『ガリレオ』にはさまざまな犯人が登場するが、やはり覚悟を決めた犯人ほど手強いものはない。その犯行は計画的な上に迷いがなく、警察だけでなく湯川も苦戦を強いられることになる。突発的な犯行では、こうはならないだろう。

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