■続きは劇場で!? 賛否を呼んだ最終回『仮面ライダーディケイド』
「平成仮面ライダー」シリーズの第10作目『仮面ライダーディケイド』は、「10年に1度のお祭り」と銘打たれ、昭和から平成に至る歴代ライダーの世界を巡るクロスオーバー要素が大きな魅力だった。しかしその最終回は、ファンのあいだで賛否を呼ぶこととなる。
最終の第31話「世界の破壊者」で、主人公・門矢士(仮面ライダーディケイド)は他のライダーたちの協力を得て、悪の組織・大ショッカーの幹部スーパーアポロガイストを撃破。これで世界の崩壊は阻止されたかに見えた。だがその直後、協力してくれたライダーたちが次々と消滅。士は、さらに過酷な宿命に直面することになる。
そこに現れたのは、士に旅を促した張本人である紅渡(仮面ライダーキバ)だった。彼は「あなたは全ての仮面ライダーを破壊しなければならなかった。だが仲間にしてしまった。それは大きな過ちでした」と告げる。
さらに「今から僕の仲間があなたの旅を終わらせます」と言い放つと、歴代ライダーたちが一斉に士を取り囲み、戦いが始まったところで物語は唐突に幕を閉じるのだ。
このラストは直後に公開された映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』へと直結する、いわば「続きは劇場で!」パターンだった。
しかし、テレビシリーズ単体として見れば物語は完結しておらず、視聴者からすると消化不良が否めない結末となった。これは物語の内容だけでなく、ある意味、“最大のバッドエンド”と言っても過言ではないだろう。
今回紹介した“バッドエンド”な最終回は、単に救いのない暗い結末というわけではない。正義の象徴として数々の敵を打ち倒してきたライダーが、最後にどうにも抗うことのできない過酷な現実に直面し、極限の中で下す選択や犠牲。その悲壮な姿があるからこそ、後に訪れる平和や未来への希望が、より一層大切に見えるのだ。
『仮面ライダー』作品のバッドエンドは、私たちに「ヒーローとは何か?」とあらためて考えさせてくれる。だからこそ、放送から長い年月が経った今なお、多くのファンの胸に深く刻まれ続けているのである。


