『ONE PIECE』天竜人がやらかしてきた「許しがたい悪行」 先住民一掃大会、強制結婚など理不尽すぎる最悪の行為の画像
CD「TV ONE PIECE Island Song Collection 女ヶ島 ハンコック&サンダーソニア&マリーゴールド(CV.三石琴乃&斎藤千和&斉藤貴美子)」(エイベックス) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 尾田栄一郎氏の描く海洋冒険ロマン漫画『ONE PIECE(ワンピース)』(集英社)。本作では主人公、モンキー・D・ルフィをはじめとする海賊の活躍が中心に描かれる一方、天竜人こと世界貴族の非道な行いがたびたび描かれており、主要人物の中にも心に深い傷を負わされた者は少なくない。

 彼らの横暴な振る舞いの裏には、かつて世界政府を樹立した「最初の20人」の末裔という特権意識が存在する。その権力は世代を経るにつれて暴走してきた面も否めない。

 今回は、読者の誰もが怒りを覚えたであろう、天竜人がこれまでに行ってきた非道の数々を紹介したい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■一般人に人権なし!? 悪辣さを知らしめた奴隷への暴虐

 天竜人が一般市民から忌み嫌われている理由はさまざまだが、もっとも代表的でわかりやすいのが奴隷となった者への残虐な扱いだろう。

 彼らにとって奴隷は人ではなく、単なる所有物であり、移動のための乗り物、暇つぶしの遊び道具、ストレス解消の手段としても利用されてきた。

 奴隷にされた者の体には、“天駆ける竜の蹄”の焼印が押される。アマゾン・リリーを治める王下七武海のボア・ハンコックとその姉妹、タイヨウの海賊団船長フィッシャー・タイガーなども、その身に一生消えない焼印を背負うこととなった。

 さらに、ハンコックと同じく王下七武海であり、ソルベ王国の元国王という立場にあったバーソロミュー・くまですら、天竜人の前では逆らうことを許されなかった。彼は「無敵奴隷」として徹底的に利用され、自由を完全に奪われたのである。

 くまの悲劇は彼1人だけにとどまらず、彼の血族もまた標的となった。稀少な種族・バッカニア族であったことから彼の両親も奴隷にされ、ただ“うるさかったから”という理不尽極まりない理由で、父親は目の前で銃殺されている。

 天竜人の蛮行は一個人の人生を奪うだけでなく、一族に及ぶほど徹底的に蹂躙した。

■過労死待ったなしの惨たらしい強制労働の数々…

 前述した通り、奴隷となった者への扱いは大層ひどいもので、人権も自由も何もない地獄のような日々になってしまうのは想像に難くない。特に、天竜人の身勝手により強制労働に従事させられるシーンは、作中で幾度も描かれてきた。

 代表的な例が、東の海(イーストブルー)にあるテキーラウルフである。ここでは天竜人の命令により、島と島をつなぐ巨大な橋を造るため、実に700年にもわたって奴隷による労働が続いているのだ。

 この状況を前に、革命軍の一人はニコ・ロビンに対し「理由などあってもなくても 奴隷と呼ばれる人間達の犠牲が減るわけじゃない…!!」と、静かな怒りを込めて語った。

 他にも、聖地マリージョアにはトラベレーターと呼ばれる“動く歩道”が存在する。名前の通り、人々は歩くことなく自動的に移動できるが、その地下では、快適な速度で動かすために大勢の奴隷が働かされている。魚人島から世界会議に訪れたリュウグウ王国の王子・フカボシは、その場の空気を感じ取り、「いやな気配がする…」と、奴隷たちの苦しみを直感的に察していた。

 まさに過労死待ったなしといえる苛烈な強制労働は、権力の象徴としての彼らの傲慢さと、市民に対する無慈悲さを如実に示していた。

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