■初代とは似ても似つかない? 多彩な特殊能力も出さずに終わった「ゼットン(二代目)」

 そして最後を飾るのは1972年に放送された『帰ってきたウルトラマン』の第51話「ウルトラ5つの誓い」の回に登場した「ゼットン(二代目)」だ。

 初代の「ゼットン」は『ウルトラマン』の最終回に登場。格闘戦を得意とするほか、顔面から発射する高熱の火球やさまざまな光線技、瞬間移動など多彩な特殊能力を駆使。さらに、相手の光線技を吸収したり、電磁バリアを発生させたりと防御の面も優れ、初代ウルトラマンとの戦いでは相手を終始圧倒。無敵のウルトラマンを見事に打ち倒している。

 そんな最強怪獣ともいえるゼットンだったが、『帰ってきたウルトラマン』でウルトラマンジャックと対峙することになった二代目は、かなりずんぐりとした体形をしていた。初代がアスリート系だとしたら、二代目はあんこ型の力士といった印象で、その体格を生かした肉弾戦を展開する。

 顔から高熱の火球を出すところは初代と同じで、右手からは「ゼットン・ナパーム」を発射。他にもバリア状の光波で相手をしびれさせる場面もあったが、目立った特殊能力はこのくらい。

 二代目を操る「バット星人」とともにウルトラマンジャックに戦いを挑むものの、初代がウルトラマンを苦しめた多彩な特殊能力が披露されることはなく、最後はスペシウム光線であえなく爆散した。


 『ウルトラマン』作品においては、初代の存在が偉大すぎたためか、二代目の怪獣や宇宙人の冴えない部分がクローズアップされがちだ。しかし、それゆえに注目を集める機会も多く、観ている側としては、そんな二代目の頼りない部分にいとおしさを感じてしまうのかもしれない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3