■「真紅の稲妻」の華々しい戦歴
書籍『マスターアーカイブ 機動戦士ガンダム MSV エースパイロットの軌跡』(SBクリエイティブ)には、ジョニー・ライデンの一年戦争時の来歴がまとめられている。
サイド3に生まれたジョニーは、兵学校を卒業した後にMSのパイロットに抜擢され、「キシリア・ザビ」配下の突撃機動軍に配属された。
一年戦争の最序盤に行われたルウム戦役では「ザクII」に乗って、戦艦を3隻を撃沈。その大きな功績と最大速度で艦隊を斜めに突っ切る一撃離脱戦法を披露したことから「真紅の稲妻」の異名をとり、機体のパーソナルカラーも真紅になる。
その後も戦果を積み重ね、最新鋭の「高機動型ザクII」を受領。地球連邦軍が開発したMS「ジム」の鹵獲に成功するなど活躍していく。
しかし、次第に劣勢に立たされつつあるジオン軍は、優秀なパイロットを選抜して編成されたキシリア直属のエース部隊「キマイラ隊」を創設。ジョニーは隊長に抜擢された。
当時最新鋭だった「ゲルググ」を試験運用し、先行量産型の25機中24機がキマイラ隊に配備されるという好待遇ぶり。ちなみに残りの1機は「シャア専用ゲルググ」といわれている。
このキシリア肝いりの部隊の真の目的は、味方であるはずの「ニュータイプ部隊」に対する備えともいわれ、そのために重要な戦力ながら「ソロモン要塞」を巡る攻防に投入されなかったという話もあった。
■謎多き「真紅の稲妻」の最期
一年戦争における最終決戦となった「ア・バオア・クー攻防戦」に、ジョニー・ライデンは高機動型ゲルググで出撃した。
その戦闘の詳細は不明だが、先述のゲーム『めぐりあい宇宙』では多数のMSや戦艦を撃破しながら母艦と連絡が取れなくなり、「帰る場所がない」とつぶやいたところでストーリーは終了となる。
また、一説では母艦やその僚艦を援護しながら戦線から離脱したともいわれているが、ジョニーが帰投しなかったことだけは確かである。
最終撃墜数は185機を記録するも、戦闘中の行方不明者として戦後に軍籍を除籍された。
このようにジョニー・ライデンの消息は謎に包まれているが、Ark Performanceが描くコミック『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』は、ジョニーやキマイラ隊の謎に迫る物語がメインテーマになっている。
今回は、ガンプラや外伝作品で有名なジオンのエースパイロット「ジョニー・ライデン」の複雑な設定や経歴について振り返ってみた。筆者自身もジョニーは思い入れのあるキャラだけに、今後も彼の活躍を描いた作品が出続けることに期待したい。


