■村田が使う呼吸は? 明かされる実力と物語における役割
続いての登場は、物語が佳境に入る柱稽古編だった。
炭治郎とは、最後の関門である岩柱・悲鳴嶼行冥の稽古場で再び出会う。ここに至るまで元音柱、霞柱、恋柱、蛇柱、風柱の稽古もきちんとクリアしたのだろう、村田は岩柱の訓練を炭治郎が来る10日前から続けており、一刻の滝行をクリアする段階にまで到達していた。
リタイアする隊士もいる中、炭治郎らとともにめげずに訓練を続け、同じ釜の飯を食べていた様子が、彼の真面目さと精神的な強さを静かに物語っている。
さて、そんな村田が使う呼吸は、炭治郎や水柱の冨岡義勇と同じ水の呼吸であることが、コミックス17巻や公式ファンブックで明かされている。
しかし、日輪刀の色は薄すぎて判別できず、型を使った際のエフェクトも薄すぎて見えないらしい。これは村田をはじめとする一般隊士が、そもそも炭治郎たちほど呼吸を上手く扱えないという事実を表している。
そんな村田のレアな水の呼吸は、実は2021年に発売されたゲーム『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』で実際に確認することができるが、残念ながら本当に目立たないエフェクトだった。
ここまでパーソナルな部分がほとんど明かされてこなかった村田だが、柱稽古編では冨岡の最終選別の回想シーンにも登場するというサプライズもあった。鬼に襲われた冨岡が錆兎によって村田に預けられ、目覚めた冨岡を介抱している様子が描かれたのだ。これは、村田が冨岡と同期の隊士であることが示唆されている重要シーンである。
物語のさまざまなシーンで登場し、喜怒哀楽を素直に表現してくれる村田がいるからこそ、炭治郎や柱たちの異様な強さが際立つ。気づけば主要キャラが凄まじい速度で成長し、強くなっていく展開において、一般的な基準を示してくれる存在だといってもいいかもしれない。
そして、そんな彼にもいよいよ脚光を浴びる時が……? 村田は『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の映画公開を記念したポスターに、主要キャラや柱、鬼たちと並び、なんとソロビジュアルが展開されたのだ。
映画で彼に活躍の場が与えられるのだろうか。無限城編で描かれるかもしれないアニメオリジナルシーンに、思わず期待してしまうのだ。


