■「なぜ放送した…」もう一つの問題作『ぬきたし THE ANIMATION』
そして、その双璧をなすもう一つの作品が『ぬきたし THE ANIMATION』。
原作は『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?』という成人向けゲームなんですが、原作を芸人の野田クリスタルさんが絶賛しています。
成人向けゲーム原作のアニメはこれまでに様々つくられている訳ですが、それらは健全性をコーティングされて世に送り出されました。物語の中身の“餡”の部分を味わってもらうために、年齢制限に引っかかる部分を削ぎ落としたりするわけですね。
ただ”ぬきたし”の場合はなにを削ぎ落としてもダメなんですね。隅から隅まで毒されている(褒め言葉)。セリフのほとんどピー音なんです。一応、規制版ではありますが、これを地上波でも流してるんですよ。本当ありえない(褒め言葉)。
物語をなるべくマイルドに説明するのですが、舞台となる島ではある条例が施行されていて、とにかく「子作りに励め」と。だから島のいたるところで男女が励んでいるんですね。ただ、「それは本当に真実の愛と呼べるのか!?」と訴える主人公たちがいて、彼らが島の体制を覆していくという展開になっています。ただ成人向けなだけでなく、最後までやると胸がじーんと熱くなってくるような、筋の通った話なんです。
ただ、あらゆる表現がもう全部ダメ(褒め言葉)。日常会話に自然と18禁の単語が組み込まれているような感じです。意味がわかんない。マジでわけがわかんなくて。なんでアニメ化したんだよみたいな、わけのわからないチャレンジをしているアニメーションですね。プロデューサーは何を考えているんだよ(褒め言葉)。
とりあえず1話の10分だけ見てみて、肌に合うかを感じてみてください。もし興味があったらアニメから入って、原作ゲームもぜひプレイしていただきたいですね。
【プロフィール】
田口 尚平(たぐち しょうへい)
2015年にテレビ東京にアナウンサーとして入社後、スポーツ中継やバラエティ番組を担当。2020年にテレビ東京を退職後、早稲田大学院でMBAを取得し「オタクを極める」という目標を掲げて「Gamchew」を創業。ゲーム実況をはじめ、エンタメ領域の仕事を続けながら、企業のビジネス支援活動なども行っている。元TBSアナウンサー・宇内梨沙さんとのポッドキャスト番組『うない、たぐちの「オタクというには限界です。」』も好評放送中。


