■1話5分が与えた衝撃…同率第1位は『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』

 すみません。ちょっとズルいんですが、同率第1位として『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』をあげさせてください。テンションとか作風的には『ファイアボール』(ディズニー・ジャパン)みたいな感じ、といえば伝わる人がいるかも知れない。

 『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』は、3DCGで制作された1話5分のショートアニメで、まずキャラの見た目からすごく魅力的じゃないですか? 魅力的なんですよ。知らない方はぜひググってみてください。

 なおかつこのアニメを見て最初に思ったのは「アニメーションでキャラの魅力を伝えるのに長尺っていらねえんだ」という発見があったこと。5分しかないからこその想像がめちゃめちゃ膨らんで、キャラのストーリーというか背景がめっちゃ気になってくる。短い尺なのにすでに二次創作がたくさん生まれていて、見た人が想像力を刺激されている証拠かなと。3DCGも見事で、実験的で挑戦的な作品だと感じます。

 この作品は、もともと2022年にYouTubeで公開された自主制作アニメーション『ミルキー☆ハイウェイ』がベースになっています。それを広げる形で『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』が誕生しました。地下鉄に乗る6人のキャラクターの様子が5分×12本という形式で描かれているのですが、話があるような、ないような……。でもその短い時間の中で、ちゃんと展開があってキャラの掘り下げも行われていく。わずか5分でキャラクターを愛せるようになってしまうところがすごいんです。

 登場するのはサイボーグや宇宙人のようなキャラクターたち。軽犯罪(?)を犯したことで逮捕され、警察から更生プログラムとして“ミルキー☆サブウェイ”の清掃を命じられるところから始まります。ところが、その列車が突如暴走してしまい、大事件に巻き込まれていく……。「銀河の底辺全員集合!」というコピーが作品を象徴していますし、先が読めない展開に引き込まれます。

 どんどん次の回が楽しみになる仕掛けになっているので、ノリ的には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』をみてる感じで楽しめると思います。

 とにかく「5分でここまでハマれるのか!」と驚かされます。地上波ではTOKYO MXの深夜帯なんですが、トイレに行っている間に始まって終わってしまうような短さ。まさに「あっという間」なのに、ぐっと心をつかまれる発明的な体験です。もしこれが配信独占だったら、この“タイムリーに始まって終わる”ライブ感は損なわれていたかもしれません。

田口 尚平さん

【プロフィール】
田口 尚平(たぐち しょうへい)
2015年にテレビ東京にアナウンサーとして入社後、スポーツ中継やバラエティ番組を担当。2020年にテレビ東京を退職後、早稲田大学院でMBAを取得し「オタクを極める」という目標を掲げて「Gamchew」を創業。ゲーム実況をはじめ、エンタメ領域の仕事を続けながら、企業のビジネス支援活動なども行っている。元TBSアナウンサー・宇内梨沙さんとのポッドキャスト番組『うない、たぐちの「オタクというには限界です。」』も好評放送中。

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