■華麗なる空中戦で地上部隊を圧倒した衝撃の無双シーン
バイアラン・カスタムは、『機動戦士ガンダムUC』に登場した空戦用試作型モビルスーツである。グリプス戦役後に廃棄予定だったバイアランをベースに、宇宙世紀0090年代の既存技術によって改修。古くからのガンダムファンにとって胸アツな機体となっている。
『ガンダムUC』の劇中、ジオン残党軍はトリントン基地を襲撃。ジオン残党に蹂躙されつつあるトリントン基地の防衛に出撃したのがバイアラン・カスタムだ。
颯爽と水中から上空に舞い上がったバイアラン・カスタムは、空中から地上の敵をロックオン。3次元的な動きで相手を翻弄しながら、上空からの射撃で敵機を次々撃破していく。
空中を舞うモビルスーツの特性を遺憾なく発揮し、地上の敵に見せつけるように悠々と飛行するバイアラン・カスタム。ジオン残党軍の目を引きつけながら得意の空中戦に持ち込んで、サーベルで斬り刻んだ。
その後マラサイのウミヘビにとらえられ、さらに上空からカークスのザクI・スナイパータイプの狙撃が直撃。背部スラスターを損傷するが、落下しながら地上のマラサイを両断した。
胸のすくような無双シーンを演出したバイアラン・カスタムのパイロットは、劇中では無名で謎に包まれており、ファンの間でさまざまな憶測が飛び交うこととなった。
ちなみにその正体は、のちに漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』(KADOKAWA)の中で明らかになる。トリントン基地の整備兵としてバイアラン・カスタムを開発し、実際に搭乗したのは元ティターンズの隊員、ドナ・スター中尉であった。
『ガンダム』シリーズは長く愛されている作品であり、いまだに新作アニメやサイドストーリーが生み出され続けている。これからも、わずか数秒の戦闘シーンでファンをうならせる、スゴ腕のモブパイロットたちの活躍に期待したい。