■3代目は「まさかの格闘ゲーム」出身
1997年に初代プレイステーション用ソフトとして、ガンダムをモチーフにした対戦格闘ゲーム『ガンダム・ザ・バトルマスター』(バンダイ)が発売。その中でオリジナル機体として登場したのが、サイコ・ガンダムMk-IIIである。
同機はゲームのオリジナル設定のため、宇宙世紀作品とは直接関連はなかったが、その後ゲームの『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズや、ガンダムの関連書籍などでサイコ・ガンダムMk-IIの後継機として扱われているために紹介しておこう。
同機は、Mk-IIから継承した全身から放つメガ粒子砲や両腕部に大型ビームソードを装備。ただしビット系のサイコミュ兵装は省略され、変形機構もなさそうだ。
そして格闘ゲーム出身の機体らしく「ブラスト・アッパー」と呼ばれる上空に向かって放つ打撃攻撃が必殺技になっている。
■かなり小型化された「4代目」
虎哉孝征氏が描くコミック『機動戦士ムーンガンダム』には、サイコ・ガンダムMk-IVが登場。同機は主役機のムーンガンダムの原型となった機体のひとつで、その全高は19.3mと通常のモビルスーツと同等程度にダウンサイジングされている。
そして背部には「サイコフレーム」を組み込んだファンネル「サイコプレート」を持ち、それが扉のように見えるため「G・ドアーズ」の異名で呼ばれていた。
小型化されたその姿はサイコ・ガンダムというよりはガンダムMk-IIに近く、ロンド・ベルのアムロ・レイが乗るリック・ディジェによって撃墜されている。
なお劇中でアムロがサイコプレートを見た際、「あのフィンみたいなファンネルは使えそうだな」と発言しており、νガンダムの開発につながったとされる。もちろん完全な後付けではあるが、サイコ・ガンダムの系譜がνガンダムの開発に影響を与えたという設定はユニークだ。
このほかにも派生機として「プロトタイプ サイコ・ガンダム」や「量産型サイコ・ガンダム」、雑誌の企画で設定された「サイコ・ガンダムMk-V」、アムロが搭乗したというIF設定でアーケードカードゲーム用に設定された「フルバースト・サイコ・ガンダム」、ゲームオリジナル機体「サイコロガンダム」といったものまで存在する。
アニメ作品ではそこまで種類が多くなかっただけに、これほどのバリエーションが生まれたということは、それだけ強烈なインパクトを残した機体だったということだろう。