■私の心を軽くした小島監督のメッセージ
発売から1カ月後の7月26日のXの投稿でした。
「エンディングまで行かれたみなさんへ。今の時代、世界は大変な状況にあります。明日に希望を持ちにくいかもしれません。でも命懸けであなたを守ってくる誰かが、たとえ気づかなくても、繋がって見守ってくれている誰かがいます。」
この言葉に、思わず「監督……ありがとう」と涙がこぼれました。
何を思い、何を指してのメッセージかはわかりません。でも、悶々とした気持ちを抱えていた私の心はフッと軽くなりました。
監督のラジオを聴いている方ならご存じでしょうが、監督はとても愉快な方で、普段はメッセージ性の強い発言はあまりしません。
「作品で語る」その姿勢があるからこそ、これまでも多くの人の心を救ってきたのだと思います。『デススト2』の世界に留まらず、私のゲーム体験は、現実の出来事とリンクすることでより特別なものになりました。
『デススト』シリーズは心に深く刻まれる素晴らしい作品です。間違いなく近年で最も心に響いた作品であり、今年のゲーム・オブ・ザ・イヤーに輝くべきタイトルだと私は思います。
今作については、コロナ禍や監督自身の体調不良など、完成が危ぶまれる時期もあったと聞きます。それでも粘り強く一歩ずつ前に進み、この時代に心を打つ傑作を届けてくれたことに、小島監督、そしてコジマプロダクションの皆さま、俳優・声優の皆さまへ、心からの敬意と感謝を申し上げます。
もし途中でプレイが止まっている方がいるなら、ラスト数時間に忘れられない体験が待っているので、ぜひ完走してほしいです。
そして、まだ未プレイの方は、羨ましい。私自身、記憶を消してもう一度最初から遊びたいくらいです。その特権をぜひ味わってほしいと思います。
【プロフィール】
宇内梨沙(うないりさ)
ポップカルチャーを心から愛する元アナウンサー。2015年、TBSテレビに入社。アナウンサーとして多数の番組を担当する一方、ラジオやYouTubeなどでゲーム偏愛を披露。2025年にTBSを退社し、現在は『Twitch』でゲーム配信者として活動中。