『ガンダム』歴代主人公たちが魅せた「まさかの奇策」とは… カミーユ「ビーム・コンフューズ」にアムロ「ラストシューティング」も…の画像
Blu-ray版『機動戦士ΖガンダムIII -星の鼓動は愛-』(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 1979年放送開始の『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイを皮切りに、『機動戦士Zガンダム』のカミーユ・ビダン、『機動戦士ガンダムZZ』のジュドー・アーシタなど、個性的な主人公たちが作品を盛り上げた『ガンダム』シリーズ。

 それ以降の作品でも多種多様な主人公が登場し、一癖も二癖もあるキャラクターが物語を彩っている。その多くがガンダムのパイロットであり、それぞれの操縦技術も見せ場のひとつだろう。

 その中にはオリジナリティあふれる戦法を披露し、視聴者を驚かせる場面もあった。そこで今回は宇宙世紀を代表するガンダム主人公たちが魅せた「奇策」にスポットを当てて振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■少年の柔軟な発想に驚いた?

 トリッキーな戦法を語る際、個人的に真っ先に思い浮かんだのが『機動戦士Vガンダム』の主人公「ウッソ・エヴィン」だ。13歳の少年ながら両親から英才教育を施されていたウッソは、優れた身体能力と固定観念にとらわれない柔軟な発想の持ち主だった。

 その象徴ともいえるのが「ボトム・アタック」だ。ウッソは、搭乗したVガンダムのコア・ブロック・システムの特性を利用し、分離可能な四肢を使い捨ての質量兵器として利用。Vガンダムを加速させ、下半身(ボトム・リム)を敵にぶつけるという攻撃を実行した。

 ガンダムのパーツを消耗品のように扱うウッソのアイデアは、視聴者にも衝撃を与えた。またシンプルながらも効果は絶大で、作中ではウッソのこの戦法を仲間も取り入れてマネするほどだった。

 このほかにもウッソは、V2ガンダムに搭載された推進機関「ミノフスキー・ドライブ」の欠陥である「光の翼」を攻防に生かすというアイデアも用いた。

 V2ガンダムのミノフスキー・ドライブから意図せず漏れ出た余剰エネルギーが背部バインダーから放出され、それが高エネルギーの光の翼を形成する。それはビーム兵器と同等の高エネルギーのため、ウッソは光の翼を武器や盾に応用していた。

 こうした機転の利いた奇策を次々に思いつくのも、ウッソが周囲から「スペシャル」と一目置かれたゆえんだろう。

■テレビ版にはなかったカミーユの必殺技?

 リメイクされた『機動戦士Zガンダム』の劇場版でカミーユ・ビダンが披露したのが「ビーム・コンフューズ」という奇策である。

 発射目前のコロニーレーザーからカミーユやクワトロ、ファたちが離脱しようとする際、ハマーン・カーンのキュベレイとパプテマス・シロッコのジ・Oが立ちはだかる。

 そしてハマーンのキュベレイがファンネルを射出したとき、カミーユは「ならば、ビーム・コンフューズ!」と叫び、出力を上げたビームサーベルを回転するように投げつけて、そのサーベルの刃にビームライフルを当てた。

 このビーム・コンフューズで周囲にビームを拡散させ、キュベレイのファンネルを一掃。ハマーンとシロッコの攻撃を振り切って脱出し、無事にコロニーレーザーは発射されたのである。

 このカミーユの神業は劇場版のみで描かれたものだが、彼のとっさの判断力と、回転したサーベルの刃を狙って撃つという卓越した操縦技術があってのもの。最強のニュータイプと称されるカミーユならではの奇策に、度肝を抜かれたファンも多かったことだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3