■ヤンキーから俳優もこなすマルチタレントへ、的場浩司さん
『元気が出るテレビ』では不良少年たちにスポットを当て、野球で更生させようという“草野球”コーナーもあった。その名も「爆苦連亡世(ばっくれんなよ)」という野球チームで、ひと際強い存在感を放っていたのが、的場浩司さんである。
的場さんはコージという名で出演。18歳でヤンキー座りにリーゼントヘア、頭には鉢巻きといういかにも怖そうな風貌だった。
的場さんは、高田さんのインタビューに対し、睨みをきかせぶっきらぼうに答える。しかし、好きなアイドルの話になると途端に顔がほころび、少年らしい一面を見せるなど、そのギャップに多くの視聴者が釘付けになった。
的場さんはその後、1988年の映画『首都高速トライアル』で俳優デビューを果たす。翌年には浅野温子さんが主役のドラマ『ママハハ・ブギ』にも出演し、継母を困らせるツッパリ高校生役を豪快に演じた。
若かりし頃はヤンキーのイメージが強かった的場さんだが、今ではスイーツ好きという可愛らしい意外な一面も見せている。
■美少女空手家として番組でも取り上げられた安室奈美恵さん
最後に、あの国民的歌手も同番組に出演していたことを紹介したい。それが“美少女空手家”として『元気が出るテレビ』で紹介された安室奈美恵さんだ。
番組に出演した安室さんは、当時まだ14歳でデビュー前だった。しかし、すでに沖縄アクターズスクールで頭角を現していた彼女は、将来性を見込まれ、ダンスや歌のほかにも空手を習うよう助言されたという。それがきっかけで空手を始めた安室さんを、高田さんが突撃インタビュー。安室さんはキュートな笑顔で自己紹介をしたあと、キレのある空手を披露した。
この番組に登場した頃はまだあどけなさの残る安室さんだったが、空手ポーズを決める凜とした姿や、誰よりも小顔でキュートな笑顔は、のちに国民的スター歌手として成長する片鱗を十分に感じさせるものだった。
このように、今や日本を代表するような有名人をたくさん輩出してきた『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』。今回は懐かしい映像を振り返るとともに、リポーターの高田純次さんの自由奔放な言動にも笑ってしまった。彼が今も変わらぬスタイルでギャグを披露し、街を散歩している番組を見ると楽しくなる。
何はともあれ、『元気が出るテレビ』は、テレビの黄金時代を代表する貴重な番組だ。このような才能ある人々を発掘してきた番組の功績は、これからも長く語り継がれていくだろう。