■『オデッセイ』で大ブレイク、マリオシリーズの“新たな顔”へ
ポリーンのキャリアを大きく変えたのは、2017年のNintendoSwitch用ゲーム『スーパーマリオ オデッセイ』だった。都市の国「ニュードンク・シティ」の市長として堂々復活。ステージ中では自ら歌うキャラクターとして『Jump Up, Super Star!』を披露し、プレイヤーの記憶に強烈な印象を残した。これは単なる再登場ではなく、キャラクター像を根底から作り替える再構築だったと言える。
その後、2018年のNintendoSwitch用スポーツゲーム『マリオテニス エース』で初めてプレイアブルキャラクターに。赤いハート型のキスマークをあしらったエンブレムなど、明確なブランド性を持つキャラクターへと成長した。『マリオカート』『マリオゴルフ』『マリオストライカーズ』といったシリーズ作品にも次々と参戦し、ピーチやデイジーと並ぶ任天堂ヒロインの一角を担う存在となった。
そして2025年、『ドンキーコング バナンザ』ではファンを驚かせる新たな姿を披露。まさかの“少女姿”となり、2代目ドンキーのパートナーとしてダブル主人公的に描かれている。初期の「レディ」とはまるで別人のようだが、現代的で柔軟なキャラクター造形が、ポリーンという存在の強みでもある。
ポリーンは、ピーチやロゼッタ、デイジーといった既存の任天堂ヒロイン枠にすっきり収まらない特異な存在となった。1981年の『ドンキーコング』での初登場から長い沈黙を経て再び表舞台に立ち、市長、歌手、そしてプレイアブルキャラクターとして多面的に活躍してきた。『ドンキーコング バナンザ』ではついにヒロインとしての役割を全面に押し出し、新たな物語を背負う存在へと進化している。
今後も彼女は、“さらわれ役”の枠を超えて、『マリオ』シリーズの新しい顔としてその存在感を高めていくはずだ。