■家電芸人の本領発揮!一発OKだったCM撮影

 CMといえば、僕が出演したCMもあります。

 『ウルトラアタックNeo 週末篇』

 メインが江角マキコさんのCMシリーズで、僕のバージョンは週末に奥さんの洗濯の手伝いして、そのあと公園で子どもたちとサッカーをやる家族思いのお父さんみたいな設定。

 ほのぼのファミリーが公園で仲良くサッカーしてるカットだったけど、実際の撮影現場では僕がボール持ったら本気でボールキープして子どもに一切ボール触らせなかった。それを見た監督から「土田さん、もうちょっと子どもにボール触らせてください」って注意されたのを覚えてます。

 家電芸人の始めの頃、携帯電話のCM(NEC)にも出演しました。でっかいスタジオに家電量販店のセットを組んで、携帯売り場にカップルが見に来たところに突然僕が現れて、ハイテンションで携帯の機能をしゃべり倒して商品を薦めるっていうCM。

 CM撮影は何回も撮り直して撮影時間が長いものもありますけど、このCMはほぼほぼ一発OK。すぐに撮影が終わりました。

 『フォルクスワーゲン』のCMにも出演したことがあります。

 実はその撮影当日に、長男がうちの嫁さんとケンカして家出して。撮影が終わって20時半ぐらいに家に帰ったらまだ戻ってきてない。どこを捜しても見つからなくて、さすがに警察に連絡して捜してもらったら、結局見つかったのが千葉県で夜中の3時ぐらい。

 千葉の警察署まで迎えに行って話聞いたら「ママとケンカしたから、千葉のじいちゃんばあちゃんの家に行こうと思った」って。

 そういう理由で千葉にいたのかってわかったけど、

 「……でもあれだよね、じいちゃんばあちゃん、今朝うちにいたよね」

 万が一じいちゃんばあちゃんの家に辿り着いたとしても誰もいない。そこで初めて気づいた長男が “やっちまった”って顔してました。

 その次の日が『はじめてのおつかい』の収録日。オファーが来たときに「やったー!」と思ったけど、「ひょっとしたら、おつかいのV観て泣いちゃうかもなぁ……」ってちょっと心配しつつ収録に臨みました。

 でも何しろ前日に長男が家出して千葉まで行ってるから。「近所のおつかいぐらい1人でできるだろ」と思ったら、感動的なVを観ても少しも心に響かず泣けない。それが僕のワーゲンのCMの思い出です。

【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。

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