1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!
■土田晃之が“家電芸人”になるきっかけ
僕が初めて家電を真剣に選んで買ったのが、高校の入学祝で買ったミニコンポです。
当時人気だったのはケンウッド。あとは南野陽子さんがCMしていたオンキョーや、中森明菜さんのCMのパイオニア。僕も店に行く前は、その3つのメーカーのうちのどれかを買うと思ってました。
ところがいざ秋葉原の家電屋さんを回ってみると、それぞれの店で勧めるメーカーが違うことに気付いたんです。こっちの店員さんはA社を推してB社をけなす。あっちの店ではC社を褒めてA社にダメ出しする。そんな感じでお店によって各メーカーの評価が全然違う。
僕とすれば、予算は決まってるから、その中で一番いいコンポを買いたい。
「なんでA社はよくて、B社はダメなんですか?」
その理由が知りたくて、各店の店員さんに聞いて回って “自分にとってのプラスマイナス” を考えました。最終的に 「自分に一番必要なのはこれだな」って選んだのが、ケンウッドでもオンキョーでもパイオニアでもない、 “電音 (いまのDENON) ” 。
当時、電音のコンポなんて友達は誰も持ってないから、うちに遊びに来て僕のコンポ見ると、 「なんだよ、これ。どこのメーカーだよ?」って必ず聞いてくるんです。
そこで僕は“はいはいきました” とばかりに、「え、電音知らないの?」ってドヤ顔で言って、「お前んちのコンポってこうじゃん。でもこれさ…」って電音のコンポの特徴を説明してやると……、「マジ! これすげーじゃん!!」ってなる。
たぶんあれが僕が“家電芸人”になるきっかけでした。


