「すっげーカッコいい」土田晃之が魅了された「昭和スター俳優」、ブレイク経緯はまさに「伝説」!【土田晃之の昭和カルチャー回顧録】の画像
土田晃之(撮影/小島マサヒロ)

 1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!

■再放送で出会った圧倒的存在感

 松田優作さんを知ったのは、竹中直人さんのモノマネでした。小学校低学年の時に、テレビで竹中さんがジーパン刑事のモノマネしてたんですよ。その時はまだ、大元の優作さん本人のことを知らなくて、「この竹中さんって人は誰のモノマネしてるんだろう?」

 そう思ってたら、『太陽にほえろ!』の再放送がやってて、「あ、これだ!」って。それで優作さんを知ったんです。

 最初に『太陽にほえろ!』で優作さんのことを見た時は、「うわ、なんかすごいな!」って子ども心に思いましたよね。とにかく、すっげーカッコよくて。

 『太陽にほえろ!』の再放送は小4の時だったんですけど、1週目はマカロニ刑事の週で、月曜日にマカロニ刑事のショーケン(萩原健一)が登場して金曜日に死ぬシーンなんですよ。翌週がジーパン刑事の週で。

 ジーパン刑事の最終回をどうしても録りたくて、放送が16時ぐらいからだったから、学校終わって家まで2キロぐらいず~っと走って帰った。当時まだビデオとか家になかったから、ラジカセをテレビの横に置いて録音するっていう手段に出て。オートリバースなんかついてないから、途中でテープをひっくり返して。

 そうして録音したのを何回も聴いてました。音だけ聴いて、映像は頭の中で思い浮かべるっていう。最後に撃たれて、「なんじゃこりゃ~~!!」っていうシーンが12秒だったかな? 13秒だったかな……?

 それぐらいあるんですよ。よく聴いてると、かすかに「ガタンゴトンガタンゴトン」って電車の音が聞こえる。「あ、近くに電車が通ってたんだ」ってずっと気になってたんです。

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