ファミコン全盛期、土田晃之の家にあった「通すぎるゲーム機」とは…昭和コンピュータゲームの思い出【土田晃之の昭和カルチャー回顧録】の画像
土田晃之(撮影/小島マサヒロ)

 1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!

 

■『ドンキーコング』『ミッキー&ドナルド』も!ゲーム&ウォッチが大流行

 小学生の頃にみんなが夢中になって遊んだゲームといえば、なんといってもコンピュータゲームです。最初に流行ったのが『ゲーム&ウオッチ』。

 ゲームウオッチ以前でいうと、僕が小1ぐらいのときに大ブームを巻き起こした『スペースインベーダー』、そのあとに出た『ギャラクシアン』。でも、その手のゲームはゲームセンターにあるアーケードゲームやパソコン用のゲームだったから、僕ら小学生が触れる機会はほとんどありませんでした。

 それがいきなり手のひらサイズの小型携帯ゲーム機になって現れたのがゲームウオッチ。当時は画期的なゲーム機でした。LSI(大規模集積回路)を内蔵した液晶画面とリズミカルなピコピコ音。ゲームセンターに行かなくても、いつでもどこでも遊べるゲームウオッチは小中学生の間で爆発的なブームになりました。

 最初に出たゲームウオッチは『ボール』。キャラクターの腕を動かしてボールをお手玉みたいにして受けて投げる、要は“お手玉ゲーム”です。この単純なゲームが意外に一番面白かったですね。

 僕が最初に買ってもらったゲームウオッチは『オクトパス』。潜水工を操作して、海の中のお宝を船に持ち帰るっていう、これも単純なゲーム。たしか小3ぐらいのときに買ってもらったと思います。

 当時ゲームウオッチは大人もハマってやってる人がけっこういました。というか、ゲームウオッチって、そもそもサラリーマン向けに作られたゲーム機ですからね。通勤途中の電車の中でも気軽にできるようにポケットに入るサイズで、周りの人の迷惑にならないようにゲーム音も消せるようになってました。

 最初は大人向けに作られたものが小中学生にも人気になって大ブームになったという感じ。うちは男3兄弟だったから、兄弟それぞれがいろんな種類のゲームウオッチを持ってました。『マンホール』 『タートルブリッジ』『ボール』『オクトパス』『ファイア』……。

 ゲームウオッチの画面も最初のタイプからワイドスクリーンになって、それからマルチスクリーンが出て。マルチスクリーンになってからは『オイルパニック』とか『ドンキーコング』とか人気のゲームが出て。そのあと『ミッキー&ドナルド』とか『グリーンハウス』……次々に人気ゲームが出ました。

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