■「作品で描かれる世界が、ちゃんと世界として存在しているどうか」
―― マンガ家を目指す若いクリエイターたちに伝えたいことはありますか?
やぶうち: 最近は皆さん本当に絵がうまくて、どんどん進化していると思いますが、話がパッと光る人は本当に少ない。だからいろいろなものを見て感じてほしいなと思いますね。
―― お話が「パッと光る」というのは、どういう部分に魅力を感じるのでしょうか。
やぶうち: 作品で描かれる世界が、ちゃんと世界として存在しているどうか。借り物で書いているのか、ちゃんとその世界が作者の中にあるのか、読むと分かっちゃいますよね。
―― 先生ご自身が、キャラクターをリアルにするために意識していることは何ですか?
やぶうち: 先ほども言いましたけど、まずは言葉遣い。あとは、設定でちゃんと家族構成まで考えたりしますし、名前もあんまり奇抜な名前は逆につけないようにしています。普通にいるかな、っていうぐらいの名前に。
―― コマ割りや構成で意識していることはありますか?
やぶうち: これはデビュー当時の担当さんに言われたことなんですけど、「1ページに1つはアップ」「2ページに1つはロング(全身や背景入りのコマ)」ですね。当時中学生だった私に、すごく分かりやすく具体的に教えてくれたんです。今もそのことを意識してページを構成しています。
―― 最後に、これからの目標や、挑戦してみたいことを教えてください。
やぶうち: たぶん、王道の少女マンガは逆立ちしても書けないと思うので(笑)、男女問わず、年齢を問わず読めるマンガが書けたらな、というのが最終的な目標です。

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