
尾田栄一郎氏が手がける海洋冒険漫画『ONE PIECE(ワンピース)』。1997年の連載開始以降、さまざまなキャラクターが登場してきたが、ある者は王族、ある者は過去の大物海賊の子孫と、出自や血筋が特別な者も珍しくない。
最近のエピソードでも驚きの血筋を引いた人物が明らかになったが、いまだに出自が明かされていない人物がいるなど考察の余地は尽きない。
そこで今回は作中で重要そうな立ち位置にいながら、生い立ちやルーツが謎に包まれている人物たちを振り返ってみたい。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。
■まさか大物の子? 現四皇に飛び交う出自のうわさ
東の海にて、海賊として初めてルフィの前に立ちはだかったのが「道化のバギー」。どこか小物感のある人物だったが、その後も幾度となく物語に登場。海底大監獄インペルダウンからの脱獄、王下七武海への加入、さらに偶然や勘違いが絶妙に重なり合った結果、現在は四皇の地位にまで上り詰めた人物である。
かつては赤髪のシャンクスとともに海賊王ゴール・D・ロジャーの船で見習いをしていた過去があり、兄弟分のような関係だったシャンクスは、天竜人であるフィガーランド家の血筋と判明。バギーの出自にも何らかの秘密が隠されていたとしても不思議はない。
むしろロジャー海賊団という伝説の船に乗り込んだ男が、まったくの無名の家柄というほうが不自然にすら感じられる。
最近のエピソードでは、かつて世界最強と恐れられた大海賊のロックス・D・ジーベックが描かれており、とある重要人物の父親であることが分かった。ただ、ロックスの顔立ちがバギーに似ているという声もあり、バギーとのつながりを疑う人も少なくないようだ。
クロコダイルらと発足したクロスギルドのチラシに描かれたバギーの顔とロックスを並べてみると、たしかに顔や構図だけでなく笑い方まで似ており、血縁を疑いたくなる気持ちも分かる。
これまで運だけで成り上がった男と見られがちだったが、海賊界のレジェンドの血を引いているのだとすれば、現在の四皇という立場にいるのは単なる偶然ではなく、ある意味必然なのかもしれない!?
■本当に世界最強の男の息子? 自称・母親の経歴から導き出される可能性とは
王下七武海として突如現れたエドワード・ウィーブルは、自ら「白ひげの息子」を名乗っている。同時に登場した母親のミス・バッキンも「白ひげの愛人」を自称しており、その真偽は謎に包まれていた。
とはいえ、戦闘時のウィーブルは周囲に甚大な被害をもたらし、その力は海軍大将・黄猿をして「まるで本当に白ひげの若い頃の様」と言わしめたほどで、少なくとも個の戦闘力だけなら王下七武海に数えられるだけのことはある。
その後、物語が進む中で、かつて海賊界の覇権を握ったロックス海賊団の存在が明かされ、白ひげ、ビッグ・マム、カイドウ、シキといった名だたる海賊たちが名を連ねる中、バッキンもその一員であったことが判明。
白ひげと同じ船に乗り、彼の近くにいたことは事実なようで、若かりし頃のバッキンはステューシーそっくりの美女。その事実を踏まえると、ウィーブルが本当に白ひげの息子である可能性も多少は高まったといえよう。
しかし、ウィーブルの体にはツギハギのような傷跡があり、母親のバッキンがかつて科学者集団「MADS」に居候していた過去が分かっている。これらの経歴から、ウィーブルは白ひげの実子ではなく、彼のクローンなどの可能性も浮上する。
ちなみにコミックス第83巻のSBSのコーナーにて、読者から「(白ひげとウィーブルは)白いひげくらいしか似てないじゃないか」とツッコまれた際、作者の尾田栄一郎氏は「キミの意見、ぼくの思うツボです」と意味深に答えており、何らかの伏線になっているのは間違いなさそうだ。