
1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!
■憧れの超合金!父からのプレゼントに思わず「これじゃない…」
僕らが子どものとき(幼稚園から小学校低学年の頃)男子が憧れていたおもちゃが“超合金”でした。
テレビでやっているアニメを具現化したおもちゃで、鉄でできているので手で持ったときの重量感もすごいし、「本物のロボットだー」って感じで超〜憧れました。
ちなみに玩具メーカー「ポピー」さん(現「バンダイ」)から出てるものが正式には“超合金”ですが、今回はダイキャスト製のロボットのおもちゃは“超合金”としてお話しします。
さまざまなアニメがあるなかで僕が一番憧れた超合金は『コン・バトラーV』です。
5つのロボが合体して『コン・バトラーV』になるのですが、そのディテールはまさにアニメそのもの! 『コン・バトラーV』の超合金を持ってる友だちの家に遊びに行っては「いいな〜」と思い、 「この家の子になりたいなぁ」とまで思っていました。
そんなある日、パチンコから帰ってきたウチの親父が上機嫌で「お前の欲しかったやつ取ってきたぞ」って言うんです。僕も「え!」ってなり、喜んで駆け寄ると、その箱には『コン・バトラーV』ではなく、新番組で始まった『ボルテスV』の文字が……。
幼かった僕は「これじゃない!」と言って親父を悲しませてしまいましたが、まぁ大人にしてみたらどれも一緒で、なんなら「最新のボルテスVのほうが喜ぶ」と思ったのかもしれません。
ただし、よく似たディテールのふたつのロボットではありますが、僕はいまでも『コン・バトラーV』のほうが断然好きです。
しかも親父がパチンコで取ってきたその超合金は、僕が欲しかった高いほうの超合金(8000円ぐらい)ではなく、かなりショボイ小さいほうの安いやつ(3000円代)でした。
その当時の“超合金”は2種類あって、値段の高い「DX版」は大きくて、合体・変形などのギミックがあるのに対して、安いほうはただロケットパンチ的なものがついてるだけ。関節などはまったく動かない、子どもながらに“寂しい超合金”だったことを覚えてます。なのでいまでも『ボルテスV』を見ると、あのときのことを思い出してなんだか少し悲しくなります。