■衝撃だった超合金ガンダムのビジュアル!
当時のガンプラって真っ白だったんですよ。パーツをハサミで切って、ボンドでくっつけて完成させると“真っ白なガンダム”ができあがる。それ見たら「色塗りたいな」と思って、家にあったマッキーでガンダムに色を塗ったんです。青い部分は青のマッキー、黄色い部分は黄色のマッキーで。でも全然うまく塗れなくて、変なガンダムになっちゃった。
それを登校班のT君に言ったら、「お前さ、プラモデルって作り方があるんだよ」って教えてくれて。「プラモデルコーナーの横に置いてある絵の具みたいなカラーを塗るんだ」って。それも組み立てる前に塗るっていうから、「なんで作る前に塗るの?」って聞いたら、
「お前のガンダムは作ってから色を塗ったから腕の関節のところとかうまく塗れなくて白いままだろ?だから最初に塗るんだよ」
ガンダムもガンプラの作り方も全部登校班の兄ちゃん・T君が教えてくれました。ガンプラがすごいのは、何千円もした超合金と違って、300円っていう子どものお小遣いでも買えるところ。でも最初の放送のときにはプラモデルじゃなくて超合金のガンダムが出たんです。「クローバー」っていうメーカーから。
クローバー製のガンダムは高いデラックス版超合金と安い超合金の2種類あったけど、とにかくひどい。ガンダムの胴体の色が銀色で、腕のボタン押すと腕が飛んでったり、バズーカみたいのを背負ってて、ボタン押すとロケットが飛んでったり、マジンガーZと一緒。「ガンダムはそんな武器持ってねーから」って。
結局、超合金は売れなくてプラモデルはバカ売れ。プラモデルを出したバンダイは、ガンプラのおかげでものすごいことになって、一方の超合金のクローバーはもうないです。
【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。