■受け継がれる「“D”の意志」と「巨大な王国」の関係

 主人公モンキー・D・ルフィをはじめ、海賊王ゴール・D・ロジャー、その息子のポートガス・D・エース、そして現在の四皇の一角であるマーシャル・D・ティーチなど、主要キャラに共通する「D」という名前。

 元・王下七武海のひとり、トラファルガー・D・ワーテル・ローもまた「D」の名を持つ人物だ。彼の恩人であるコラソンは、とある地域ではDの一族のことを「神の天敵」と呼ぶことを伝えていた。

 この「D」の名について明確に言及されたのは、世界会議におけるアラバスタ王国のコブラ王と、突如姿を現した謎の存在「イム様」の会話である。

 そこでイムは「“D”とは…かつて我々が敵対した者達の名だ」と言い、「近年各地に湧き出てきた“D”は、己の名の意味も知らぬ“抜け殻”」と語った。

 このイムの発言から察するに、“D”の名を持つ者とは、かつて世界政府と敵対した者たちのこと。すなわち「巨大な王国」の民、もしくはその仲間や末裔などとつながりがある可能性が高そうだ。

 さらに、エッグヘッド編でベガパンクが世界に向けて放ったメッセージの最後に、“D”の名を持つ者たちに語りかける場面があった。

 「“D”の名を持つ者達へ」「お前さん達の中に……も…」という言葉を最後に、ベガパンクの配信は途切れた。彼が何を伝えようとしたのかは不明だが、いまだ“D”にまつわる何らかの謎が残されているのは間違いないだろう。


 「空白の100年」には、世界政府が意図的に世界から抹消しようとした不都合な歴史が隠されているはず。そしてその中に関係しそうな「巨大な王国」「Dの一族」など、物語に残された大きな謎の多くが、この100年間に関係していそうだ。

 この「空白の100年」こそが『ワンピース』という物語の核心であり、おそらくはそう遠くない未来にその謎が解き明かされるはずだ。

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