『ONE PIECE』最大の謎「空白の100年」に何が起きた? 巨大王国、古代兵器、Dの一族…世界政府が隠蔽した「不都合な真実」とはの画像
アニメ『ワンピース』エッグヘッド編キービジュアル (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 かつての海賊王ゴールド・ロジャーが残した巨大な宝を探し求め、あまたの海賊たちが海に跋扈する、尾田栄一郎氏の『ONE PIECE(ワンピース)』。

 物語は最終章に突入し、やはり気になるのは作品タイトルにもなっている「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」の行方や中身ではないだろうか。

 しかし、それ以外にも作中には気になる謎が数多く残されている。とくに物語の重要なカギを握っていそうな謎のひとつが「空白の100年」と呼ばれる歴史ではないだろうか。

 強大な力を持つ世界政府にとって、その100年の間に起こった出来事はよほど不都合な内容なのか、その歴史を知ろうとする者は死罪にされる。実際「空白の100年」の歴史研究を行ったオハラは、海軍のバスターコールによって焼き尽くされ、地図からも削除される事態となった。

 世界政府がそこまでひた隠しにする「空白の100年」に何が起こったのか。物語が進むにつれて、実際に起きた内容が断片的に明かされつつある。現在判明している情報を整理しながら、「空白の100年」の謎について振り返ってみたい。

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。

■ある巨大な王国vs連合軍による戦争

 物語が進むにつれて、かつて世界に存在したという「ある巨大な王国」の情報が少しずつ明かされ始めた。その王国について初めて語られたのは、第395話のこと。

 オハラの学者・クローバー博士は、「歴史の本文(ポーネグリフ)」の研究を通じて導き出した事実として、「空白の100年」に存在したとされる「ある巨大な王国」の存在を明かしたのである。

 この王国については、のちにDr.ベガパンクが「世界の真実」として世界に発信した映像配信の中で、より具体的な内容が語られた。ベガパンクによれば、「原初の海賊」とも呼ばれるジョイボーイという人物が、900年前にこの巨大な王国に生まれたという。

 そして彼の生きた900年前から800年前にかけての100年間の記録は、世界政府によって抹消された。それが「空白の100年」が生まれた真相のようだ。

 この「巨大な王国」は、現代の科学技術ですら再現不可能なほど、高度な文明を誇ったという。一方、その「巨大な王国」を脅威とみなした勢力が、現在の世界政府の前身にあたる、当時の20の王国からなる「連合軍」だった。

 900年から800年前にかけて行われた巨大な王国と連合軍の戦争こそが、「空白の100年」における最大の出来事であり、現在の世界秩序を形作った原点とされている。

 この戦いは最終的に連合軍側が勝利、すなわちジョイボーイと「巨大な王国」の敗北というかたちで幕を閉じた。

 しかしベガパンクは、この戦いは「まだ…終わってはおらんのだ」と語り、かたちを変え、時代を変え、あの時の戦いの“意志”は、現代にまで受け継がれているというのだ。

■世界を海に沈めた古代兵器の存在

 はるか過去に存在したジョイボーイの生まれた巨大な王国は、現代科学を凌駕するほど高度な文明が発達していたという。この100年間にわたる戦争中に使用された「兵器」の威力は、現代の科学力では再現不可能な代物だったらしい。

 となれば、それらは神の名を冠した3つの古代兵器「プルトン」「ポセイドン」、そしていまだ詳細が不明の「ウラヌス」のいずれか。もしくは複数が使用された可能性が考えられる。

 さらにベガパンクは「空白の100年の中で発生した“天変地異”により、世界は一度海に沈んだ」とも語っている。空白の100年の間に海面は200mも上昇し、これは自然災害とは思えないほどの急激な変化だったことから、人為的災害の可能性が極めて高いと述べた。

 そうなるとベガパンクが推察した通り、戦争で古代兵器が繰り返し使用されたことが要因と見るのが自然だろう。

 実際、現代においてもその兆候は確認されている。ルルシア王国が消滅させられた事件では、王国のあった島が跡形もなく消滅した直後、世界中の海面が1m上昇したという。

 あの攻撃に使用された「何か」が、古代兵器ウラヌスか、それに類する兵器であるならば、「空白の100年」においてもあのような攻撃が繰り返されて、海面が200mも上昇したのかもしれない。

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