■「悪霊の神々」の本領発揮か? 意味深な描写も

 『ドラクエ2』のサブタイトルは「悪霊の神々」だったが、実はラスボスの「シドー」以外、誰が「悪霊の神々」なのかははっきりしなかった。

 おそらくはラストダンジョンの中ボスとして登場する「アトラス」「バズズ」「ベリアル」の3体が「悪霊の神々」と思われるが、過去の映像ではベリアルがストーリーに絡んでくるシーンが描かれていたが、今回の映像にはバズズまで主人公たちと対峙するシーンが存在する。

 旧作では「悪霊の神々」たちはストーリーにまったく絡んでこなかったが、HD-2D版ではメインストーリーの軸になる存在なのかもしれない。

 さらに今回のトレーラー映像にはジャミラスやエビルホークに似た「クレセンス」という謎のモンスターが登場。その背後には『ドラクエ3』で「不死鳥ラーミア」を復活させるために必要だった「レッドオーブ」に似たアイテムが確認できる。

 今回のHD-2D版『ドラクエ1&2』のロゴには、旧作に登場しなかったラーミアらしき姿が描かれていることからも、非常に意味深に感じてしまうイベントシーンである。

■旧作との大きな違いも判明!

 ニンテンドーダイレクトで公開された『ドラクエ1』の映像では、なんと「カンダタ」と戦闘するシーンが登場。もともとカンダタは『ドラクエ3』のボスキャラであり、『ドラクエ3』の数百年後を描いた『ドラクエ1』の時代に生きているはずはない。

 あれはカンダタの血を引く者なのか、それとも名前を受け継いだだけの存在なのか。どのようなイベントで絡んでくるのかも要注目だ。

 それに『ドラクエ1』のローラ姫周りのイベントも旧作とかなり違っている様子。旧作でローラ姫が捕らわれていたのは沼地の洞窟内の小部屋だったが、今回の映像では屋外にあるドラゴンの巣のような場所にローラ姫とドラゴンがいるようだった。

 そして今回の最新映像にあわせて発表された情報によれば、HD-2D版『ドラクエ2』には「メルキドの町」があることが判明。メルキドは『ドラクエ1』『ドラクエ3』のアレフガルドにある町で、旧作の『ドラクエ2』ではメルキドは滅んだのか、町があった場所には何もなかった。

 こうなると旧作『ドラクエ2』でメルキドと同様になくなっていた「マイラ」や「リムルダール」といった町も、HD-2D版『ドラクエ2』には存在するのかもしれない。個人的には『ドラクエ1』の時点で廃墟になっていた「ドムドーラ」の復活にも期待したい。

 さらには闇に覆われた神殿のような場所でローレシアの王子が、「ロトの剣」らしき剣を掲げて、その闇を払うようなイベントシーンもある。

 旧作『ドラクエ2』のロトの剣は、経年劣化のためか微妙な性能になっていたが、新たに剣を鍛え直して強化するイベントなどがあったら胸が熱くなる展開だ。

 

 いよいよ発売まで、あと3か月となったHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』。わずか2分に満たない最新映像を見ただけでも、さまざまな変更点が感じられた。かつてファミコン版を遊んだファンなら、細かい違いにも一喜一憂できるのではないだろうか。

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