■夏の海でヒートアップ!『天装戦隊ゴセイジャー』23話「燃えろ!ゴセイジャー」

 実は、『スーパー戦隊シリーズ』における“ヒロインの水着シーン”は、先に紹介した『忍風戦隊ハリケンジャー』を最後に、長らく見られなかった。だが、その“封印”が解かれたのが、第34作『天装戦隊ゴセイジャー』第23話「燃えろ!ゴセイジャー」である。

 舞台は、海水浴と花火が楽しめる夏の海辺の町。そこへ現れたのはスカイフィッシュのザイ粉(ザイコ)である。「ウィッシュ、ウィッシュ」が口癖で、どこかロックバンドのボーカルを思わせる怪人だが、体温を強制的に上昇させる「熱暴走攻撃」で人間を苦しめる厄介な敵だ。

 バカンスに訪れていたゴセイピンク/エリ(さとう里香さん)、ゴセイイエロー/モネ(にわみきほさん)、さらには助けに駆けつけたゴセイブルー/ハイド(小野健斗さん)が、この攻撃を受け、全身が熱に包まれる事態に陥ってしまう。

 ハイドは“ハッカ風呂”でクールダウンを図る一方、エリとモネは水着姿で海に飛び込み、ほてった身体を冷やす。ちなみに、エリはピンクのスカートタイプ、モネは白のブラレットにショートパンツという、個性あふれる水着姿を披露。まさに夏回ならではの華やかさが光るワンシーンだ。

 だが、ここから物語は一気にハチャメチャな展開へ。海で涼をとっていた2人は、敵の投網に絡め取られ、なぜか巨大な打ち上げ花火の筒へと詰め込まれてしまう。救出に駆けつけた男性メンバーも間に合わず点火され、エリとモネはそのまま大空へ……。空からはピンクと白の水着だけがひらひらと舞い落ちてくるという、衝撃のシーンが展開される。

 もちろん2人は無事に救出され、直後にゴセイジャーたちはザイ粉を撃破。エピローグでは、浴衣姿で花火大会を楽しむメンバーの姿が描かれ、夏らしいシーンで締めくくられる。

 笑いあり、ピンチあり、そしてたっぷりのサービス精神……『スーパー戦隊シリーズ』らしい遊び心の詰まった夏回となっていた。

 

 今回紹介した「夏回」は、単なるファンサービスにとどまらず、ヒロインたちの個性や魅力が最大限に引き出された、まさに特別なエピソードばかりだった。

 近年ではヒロインたちの水着シーンは少なくなっているものの、夏の暑さに負けない熱量と遊び心で描かれる「夏回」は、これからも多くの視聴者を楽しませてくれるだろう。

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